写真関連の本を読んでいると、時々気になることがあります。
それは補正や加工に対してのスタンス。「画像の補正や加工はどこまでしていいの?」という点ですね。
先日ある本を読んでいたところ、次のようなことが書かれていました。
- 「あとから補正すればいい」「加工ありきの撮影」ではなく、最低限の画像補正でも成り立つような写真を撮ろう
- 補正をやりすぎた写真は不自然にみえる
ズバリこの言葉で書かれていたわけではありませんが、要約すると上のような内容のことが書かれています。
これを読んで「なるほど」という方もいれば、「いや、そうじゃないよ」という方もいるだろうなあと感じました。
今は画像の補正や加工がかんたんにできる時代になりました。それにより「写真」に対する考え方も、ひと昔前より様々になってきたように思います。
というわけで今回は、補正や加工のスタンスについて考えていきます。
補正や加工のやりすぎは是か非か
今はソフトやアプリが充実し、本当にかんたんに画像の補正や加工ができるようになりました。また、カメラ・ソフト・アプリの進化により、大胆な補正や加工をしても画像が破綻しにくくなりました。
そのため、やろうと思えばどこまででも補正・加工ができる―そんな時代になってきました。
どちらもやってみるという考え方
写真を撮っていて
- 補正は最低限にするべきか
- 見映えを追及してとことんまで補正でも加工でもするべきか
という点で迷っている方も多いかと思います。
その場合は迷うことはありません。「どちらもやってみる」のがおすすめです。
同じ写真データをコピーしてみて、1つは「最低限の補正のみ」、もう一方は「とことんまで補正・加工」をしてみるんですね。
これをしばらくの期間、いろいろな写真でやってみます。
そう、「1枚だけで判断しない」「迷ったときは、たくさんのケースで比較してみて考える」のですね。すると、いろいろなことがみえてきます。
合うもの・合わないものがある
まず早い段階でわかってくるのが「合うもの・合わないものがある」ということです。
何枚かやってみると
- 最低限の補正だけのほうがいいと感じるもの
- とことんまで補正・加工したほうがいいと感じるもの
がでてきます。
どちらもある程度の数になったら「なぜいいと感じるのか」「なぜ合わないと感じるのか」を書き留めてみましょう。こうして自分で行った補正や加工をもとに比較・考察するのは、とてもいい勉強になります。
「好み」と「塩梅」を考えてみる
こうして両極端ともいえる補正をしていくと、次第に、自分の好みやちょうどいいと感じる塩梅(あんばい)がみえてきます。
こうなったら、面白いところです。
「最低限の補正」と「とことんまで補正・加工」の両方を経験していく、それぞれのメリット・デメリットがみえてきます。その上で、
- 両者のいいところを生かして、自分の補正スタイルを確立させていく
- これからも「最低限の補正」と「とことんまで補正・加工」のスタイルを使い分けていく
など、自分の方向性を考えていくステージになるわけですね。
このやり方をするとどんな方向を選んでも、根本に「自分が好きな写真、いいなと思える写真になるように」という軸があるので、大きく道をはずれることはありません。
バランスで考える
補正・加工を重ねていくと、次第に階調が失われていきます。明暗の差や色の強弱をつける、あるいは形をくっきりみせるために、細かな段階をなくすわけですね。
とことんまで補正や加工をした写真が、どこか平面的だったり、硬くみえたりすることが多いのもこれが理由です。
このしくみがわかってくると「何を犠牲にして何を得るのか」という考え方でアプローチすることもできるようになります。
もちろん「得るものは多く、でも犠牲は少なく」というさじ加減を探っていくのも面白いですよ。
まとめ
今回は、補正と加工についてのスタンスについての考察をお届けしました。
是か非かで考えるよりも、「知らない方法があればやってみる」「迷ったときは、実際にやってみて考える」ようにすると、いろいろな発見がありたのしいですよ。よかったら参考にしてみてください。