カメラを使い始めてしばらくすると、自分の行動と本来の目的との間にギャップが生じることがあります。
わかりやすいところでは機材。
今使っているものよりもいい機材を使えば、今よりもいい写真が撮れそうな気がします。
「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われるかもしれませんが、実はこの考え方にはいくつかの落とし穴があります。
どこに落とし穴がある?
先ほどの文章をもう一度みてみましょう。
……どこも間違ってはいませんね。この記事を書いている私もそう思います。
では、どこに落とし穴があるのでしょう。
それはこの文章の前に来る部分――前提の部分です。
機材の性能だけの問題?
こうした点を考える際に重要なのは、「本当にそこだけの問題なのか」と考える必要があるという点です。
ちょっと極端な例を挙げてみます。
- 新しい機材を買って、何枚か撮ってみた。
- そこで「どうもうまく撮れない」と感じた。
- だから、もっといい機種を買おうと思う。
- きっと今よりもいい写真が撮れるはずだ。
極端すぎる例かもしれませんが、この考え方はどうでしょう?
おそらく「2」までは、普通にあり得ることかと思います。が、問題はここから「3」の考え方への飛躍ですね。
機材の性能の問題以前に
- たいして使っていないのに、それだけで判断しちゃうの?
- ちゃんとその機材を使ってみようよ。判断はそれからじゃない?
- 自分のスキルが問題という可能性はない?
……などなど、様々な疑問が出てくることかと思います。
「本当に、その機材の性能だけの問題なの?」というわけですね。
「いい機材」の基準
あらためて、最初の文章をみてみましょう。
今度は、意外と陥りやすい点をみてみます。
それは「いい機材」という言葉です。
今の機材ではできないのか?
今使っている機材よりもいい機材を使えば、もっといろいろなことができそうな気がします。
たとえば私は文房具も好きなのですが、よさそうなノートをみつけると、よくこんなことを思います。
- こんなノートがあったら、毎日、日記を書けそうな気がする。買おうなあ。
家にほかのノートがあるのに、こう思っちゃうんですね。そもそも日記なんてろくに書いたことがないのに、こんなことを思っちゃうんですね。
……そう、日記をつけることが目的であれば、今すぐにでもできるはずなんです。
じゃあ、なんでそのノートがほしいのかといえば、
- 手元に置いておきたい
- 買ったら「こんなことがしたいなあ」と夢想することがたのしい
- 買うという行為がたのしい
- モチベーションが上がりそうな気がする
からなんですね。
「日記を書きたい」という思いは「2」にあたりますので、実際にノートを買っても、その時点で満足してしまうような気がします。
少し長い例となってしまいましたが、こうしたケースは機材に関してもそのまま当てはまると思います。
今回の記事のポイント
いろいろな機材を買うのもカメラのたのしみ方の1つです。
が、時に「買うことが習慣化」してしまったり「買うことに歯止めが効かなくなる」ことがあります。そうしたときは、今回の記事の考え方が参考になるかと思います。
「なんのために買うのか」「目的を果たすためには、この方法しかないのか」といった点を考えてみるわけですね。よかったら参考にしてみてください。