デジタル一眼で写真を撮ったあとは、できるだけ早い段階でデータをバックアップするのがおすすめです。
つまり、「オリジナルデータがメモリーカードの中にだけしかない」状態を避けるようにします。そして、バックアップは複数の媒体でとるのがおすすめです。
今回は写真のデータをバックアップする際の注意点をお届けします。
同じ媒体にデータを2つコピーすればOK?
まずは、「同じ媒体にデータを2つコピーした場合、バックアップを複数とったことになるのか?」という点からみていきましょう。
結論からいうと、これは複数のバックアップをとったことにはなりません。
なぜなのでしょう、その理由を考えてみましょう。
複数のバックアップをとる意味
写真のデータを複数バックアップすることがおすすめされるのには、次のような理由があります。
- 万が一、データが消えたり壊れたりしたときの備えとして
- 万が一、保存している媒体が起動しなくなったときの備えとして
つまり、写真のデータが読み込めなくなったときのことを考えて、その備えとして複数のバックアップを行うのですね。
保存した媒体が起動しなくなった場合も考える
先ほど例に挙げた「同じ媒体にデータを2つコピーした場合、バックアップを複数とったことになるのか?」の答えについては、「2」の理由がポイントになります。
たとえば、今日撮った写真のデータを、外付けハードディスクに入れるとしましょう。念のため、そのハードディスクに同じデータを2つ、入れておいたとします。
「データを2つコピーしたし、これで大丈夫だ」とメモリーカードのデータを消去したとしましょう。
この場合、写真データはそのハードディスクの中にしか存在しないわけですね。
となると、そのハードディスクが万が一、起動しなくなったとしたらどうなるでしょう。
……そう、写真データを取り出すことが非常に困難になってしまいます。
また、オリジナルのデータはそこにしか存在しないわけですから、場合によっては、その写真データをまるごと失ってしまう可能性もあります。
つまり、デジタルデータのバックアップは、
- 万が一、データが読み込めなくなっても、別のところにもデータがあるから大丈夫
という状態をつくるためのものなんですね。
ですので、バックアップは同じ媒体にいくつもとるのではなく、2つ以上の媒体に取っておく必要があります。
メモリーカードのデータを消すタイミング
つづいては、メモリーカードのデータを消すタイミングについてみていきましょう。
メモリーカードの空き容量を増やしたいときは次のようにします。
まず他の記憶媒体にデータをコピーする
メモリーカードに入っている写真データは、まず他の記憶媒体にコピーします。
このときに注意したいのはデータの「移動」や「切り取り→貼る」ではなくコピーをするという点です。
これは、「移動」や「切り取り→貼る」の最中にトラブルが起こったときのことを考えて、データが消失する恐れを防ぐためです。
コピーであれば元のデータを残した状態で作業ができます。万が一、コピー中にトラブルがあったとしても、元データが消失する恐れはありません。
つまり、写真データを扱う際は
- 常に
- オリジナルデータが安全な状態で作業をする
のがポイントです。
ちなみに、「JPEGは保存し直すたびに劣化するから、コピーは心配」という方もいるかと思いますが、この点に関しては問題ありません。
デジタルコピーは同じものをつくるだけなので、劣化することはありません。
バックアップがとれたことを確認する
他の記憶媒体にデータのコピーができたら、別の媒体にバックアップをとります。
これで
- 記憶媒体1:写真データ
- 記憶媒体2:写真データのバックアップ
がとれたわけですね。
両者のデータを確認し、問題がなければメモリーカードのデータを消去します。
このように、オリジナルデータが常に安全な状態であることを確認しながら作業をするのがポイントです。
まとめ
今回は写真データをバックアップする際の注意点についてお届けしました。
万が一のトラブルがあった場合のことを考えて対策するのがバックアップを考える際のポイントです。
データの移動方法や消去のタイミングに迷ったときは、「オリジナルデータが常に安全な状態であること」を意識してみましょう。