前回の記事では「『まず調べる』からの脱却」と題して、写真の撮り方について考えることの重要性について書きました。
今回はその続きです。
「いいな」と思う写真があったら
前回の記事では「いいな」と思う写真があったら、すぐに撮り方を調べるのではなく、「どうしたら同じように撮れるのか」を考えてみることをおすすめしました。
「まずネットで調べる」というのは、今の時代ならではの方法です。
答え(あるいはそれに近いもの)にすぐにたどり着けるのは大きなメリットですが、頼りすぎるのはあまりよくありません。
たとえば次のようなデメリットがあります。
- 撮り方を調べないと撮れなくなる
- 常に正解かどうかを気にするようになる
- 自分で考えて撮れなくなる
そう、「撮り方の道しるべ(レシピ)」がないと撮れなくなってしまうのですね。前回の記事では、こうした状態を「レシピ依存」と称して話をすすめていきました。
レシピ依存の撮り方は、「借り物」に頼った撮り方ともいえます。自分のものではないので、応用も効きづらい面があります。
どうしたらいいのかを考えてみよう
というわけで、「まず調べる」から脱却して、「まず考える」ことをしてみましょう。
「いいな」と思った写真があったら、まず「どうやったら同じように撮れるのだろう」と考えてみるのですね。
たとえば、「この写真、いいなあ。自分が撮るのとは全然違うなあ」と思ったら、何が違うのかを考えてみましょう。
- カメラの性能なのか
- シチュエーションなのか
- 撮影技術なのか
- 画像編集ソフトの使い方なのか
こうした場合に大切なのは「何もかも私と違う。私とはレベルが違うんだ」といった、マイナス方面の考え方をしないことです。そう思った瞬間に、考えがとまってしまいます。
たとえ1点でもいいので、「こうしたらこの写真に近づけるんじゃないかな?」というポイントを探してみるのですね。
そうして見つけたポイントを紙に書きだしてみる。こうしたことを繰り返していくと、「考えることって面白いな」という気持ちが自分の中に生まれてきます。
すると、自然に「調べる前に考えてみる」というスタンスになってきます。
シチュエーションを考えてみる
「いいな」と思う写真があったら、「その写真はどんな条件で撮られたのだろう」と考えてみましょう。とてもよい勉強になります。
たとえば
- どんな場所で、どんな時間帯に撮ったんだろう
- 光の方向や強さはどうなっているんだろう
- 季節はいつごろなんだろう
……などなど。
このときのポイントは、「答えは1つでなくてもよい」という点です。
自分で考える・推測するわけですから、「こうかな? いや、こっちの可能性もあるぞ」といくつかの候補が挙がっても全く問題ありません。
むしろ、いくつも挙がるほうが、それだけのアイデアが出たということですから好ましいと考えます。
こうしたことを続けていくと、写真をみて考えることがたのしくなってきます。
また、実はこれは自分が写真を撮る際のシミュレーションにもなっているのですね。
「こうしたら、こんな雰囲気が出せるんじゃないかな?」「この時間帯に撮れば、こういう描写ができるんじゃないかな?」など、自分の撮影に生かせるアイデアを蓄えていることでもあるのですね。
次回に続きます。