デジタル一眼で写真を撮っていると、肉眼でみた色とは違った色合いで写ることがあります。
たとえば、
- 全体が黄色っぽくなった
- 全体が青っぽくなった
など、目でみたのとは違う色合いになることがあります。
これは人間の目が色を補正しているのが大きな原因です。人間の目(脳)は「白いものが、なるべく白くみえるように補正する」性質があります。
ですので、カメラで普通に撮った色合いのほうが「実際の色」に近いのですね。
というわけで今回は、この両者のギャップについて考えていきます。
■目で見た色と違う色合いで写る理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
どちらがリアルなのか
この問題を考えるときにややこしいのが「写真としてはどちらのほうがいいのか」という点です。
- 目でみた色に近づけるほうがよいのか
- 実際の色に近づけるほうがよいのか
これ、どちらもリアルなんですね。
「人間の目」を基準に考えれば、目でみた色に近いほどリアルな印象になります。「実際の色」を基準に考えれば、カメラが出した色のほうが本物に近いでしょう。
この場合は、次のように考えると答えがみつかりやすくなります。
リアルに「感じるほう」「みえるほう」を選ぶ
人間は「リアルだと感じる要素」や「リアルにみえる要素」が多いほど、「リアリティがある」と認識する性質があります。
逆に「らしくない要素」が多かったり「リアリティを打ち消す要素」が強かったりすると、「なんだか違う……」と感じます。
つまり、基準は「事実かどうか」ではなく、「らしくみえるか、感じられるか」というところなんですね。
リアルかどうかを決めるのは、人間の感情や感覚が判断基準というわけです。
たとえば、こちらの写真。草むらの中で撮ったものです。
最初に撮ったときは、全体に緑色のフィルターをかけたような感じに写りました。目でみたときとはずいぶんと違っていました。
それが「事実に近い色」だったのでしょうが、緑色のフィルターがかかっているようで不自然に感じたので、ホワイトバランスを調整して、目でみた色に近づけました。緑色のフィルターをわずかに残す感じの調整です。
その差は一目瞭然で、目でみた色に近づけたもののほうが、リアルに感じられる写真になりました。
色についての考え方については、良書があります。
非常に奥深くてためになる専門書です。
特に意図がなければ人間の目に寄せよう
「リアルに感じるほう、リアルにみえるほう」を選ぶといっても、写真によってはどちらがいいのか迷う場合もあります。
- 目で見た感じに近づけてもよさそうだし、事実に近づけてもよさそう
といったケースですね。
また、どちらに寄せていいのかわからないという方もいるかと思います。
迷った時に最もよいのは両方のパターンで撮ってみることです。
- 両方撮ってみる
- 日をおいて、よいほうを選ぶ
撮った写真はすぐに選ぶのではなく、時間をおいてから選ぶほうが客観的な目でみることができます。
……が、時間的な問題等で、どちらかしか撮れないというときは、「人間の目でみた感じ」に寄せておけば大きくはずれることはありません。
色温度について知っておくと便利
写真の色合いを調整するときは、色温度について知っておくと便利です。こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
デジタル一眼は撮った直後に写真を確認できるので、現場でいろいろと調整できるのが強みですね。よかったら参考にしてみてください。