前回の記事では、カゲを意識した撮り方についてお届けしました。

今回は、実際に例を挙げながら各ポイントをみていきましょう。
カゲを意識して撮るにはどうしたらいい?
まずは前回のおさらいからしていきましょう。
カゲを意識して撮るときは、光を意識して撮るときと逆に考え方をするとかんたんです。
たとえば、光を意識して撮るときは次のようなことを考えます。
- 被写体に十分な光があたっているか
- 光のあたり方や強さはどうか
- みせたいところにヘンなカゲが入っていないか
カゲを意識する場合は、この文章の中にある「光」と「カゲ」を置き換えて(逆にして)考えます。
すると、次のようになります。
- 被写体に十分なカゲが入っているか
- カゲの入り方や強さはどうか
- みせたいところにヘンな光が入っていないか
文章が、カゲがメインの考え方になりましたね。
そう、これが「カゲを基準にして撮る考え方」です。今回は、この各項目をくわしく解説していきます。
被写体に十分なカゲが入っているか
まずは「被写体に十分なカゲが入っているか」からみていきましょう。
「カゲを基準にした考え方」というのは、言い方をかえれば「いかにカゲをみせるか」がポイントです。
つまり、みる人にカゲの存在を感じさせる必要があります。そのためには、写真の中に、そう意識させるのに十分なカゲが入っている必要があります。
この場合の「十分」というのは量だけではありません。カゲの量自体が少なくても、そのカゲにインパクトがあれば「みる人に意識させるのに十分なカゲ」といえます。
カゲをどの程度入れたらいいのか分からない場合は、「ここにカゲが入っていたらかっこいいな」「このあたりにカゲが入っていたらドラマチックかも」と考えてみると、いいポジションを探しやすくなります。
カゲの入り方や強さはどうか
次は「カゲの入り方や強さはどうか」という点についてみていきましょう。
カゲに注目してみると、カゲの中にも明るいところや暗いところがあることがわかります。カゲにも階調があるわけですね。
同じ被写体でも、カゲがくっきりと入っている場合と、やわらかくカゲが入っている場合とではずいぶんと印象が変わります。シーンについても同様です。
では、どうするか。――そう、自分がみせたいものに合ったカゲの入り方や強さを探るわけですね。
カゲにも表情がある……そう考えると、カゲを入れることがよりたのしくなってきます。
みせたいところにヘンな光が入っていないか
おしまいは「みせたいところにヘンなカゲが入っていないか」です。
人間の目はカゲよりも光の部分に目がいきやすい傾向があります。そのため、カゲを主体にした写真に光が入った部分があると、その部分が目立ってみえやすくなります。
ですので、カゲを意識して撮る際には「みせたいところを食ってしまう光がないか」を注意する必要があります。
いろいろと撮ってみよう
今回は、カゲを意識して撮る際のポイントをお届けしました。カゲを意識して撮ることは、光に注目して撮るのとは違った面白さがありますよ。ぜひいろいろとチャレンジしてみてください。
