写真を撮ることには「記録するたのしみ」や「自分の作品をつくるたのしみ」など、いろいろなたのしみ方があります。
が、実は「知らないものに出会うチャンス」でもあります。面白いものに出会ったら、いろいろと観察してみるのもたのしいものです。
観察してみよう
カメラは、気になるものを観察するのに最適なアイテムです。気になるものがあったら、いろいろな角度から撮ってみましょう。
観察目的で撮ってみよう
たとえばこちらの写真です。
大きな池のまわりを散歩していたらカメがいました。最初は何気なくみていたのですが、よくみると、甲羅がずいぶんとひらべったくみえます。
「あれ? よくみるカメとは何か違うな」そう思ったら撮影のチャンスです。まずは何枚か撮ってみます。
観察目的のときは、うまく撮ろうとするよりも「できるだけ形がわかるように記録するイメージ」で撮ると、あとからチェックしやすくなります。そのため、必ず1枚は全体が写るようにします。
しばらくみていると、カメが動いて向きを変えました。この角度になると、最初にみたときよりも、甲羅の平べったさがよくわかります。
薄いホットケーキやどら焼きみたいな感じですね。甲羅には特徴的な模様もみられず、変わった印象を受けます。
しばらくすると、カメが首を伸ばしました。顔をみると、ずいぶんと口先がとがっていることに気づきます。
また、手足もずいぶんとシャープな形をしていることがわかります。
観察目的で撮るときは、「動きや位置に変化があったら撮ってみる」とあとから調べやすくなります。
こうして撮っていくと、「もっといろいろな角度から撮りたい」「もっと近づいてみたい」という欲求が出てきます。
が、観察する際に気をつけたいのは「可能な限りにとどめる」ということです。
具体的には
- 生き物や植物に影響を与えない
- 環境に影響を与えない
- その場所のルールや人としてのマナーを守る
ようにします。
ですので、「撮れない角度」があって当たり前です。
場合によっては「1枚しか撮れなかった」「撮ろうと思ったけれど、撮れなかった」ということも十分にありえます。
調べてみよう
観察目的の写真が撮れたら、その被写体について調べてみましょう。
調べる方法は、図鑑で調べる、ネットで検索するなど自分に合ったもので構いません。1つの媒体で確認しきれないときは、複数の媒体をあたってみます。
というわけで、今回の例で撮った写真のカメをみてみましょう。
このカメはなんと野生のスッポンでした。私の住んでいる地域では、ミドリガメはたびたびみかけるのですが、スッポンをみるのは初めて。
スッポンというと、なんとなく「自然の条件が重なった、特別な場所にいるのかな」という印象があったので、ごく身近にいることに驚きました。
今回の例では、写真を撮っておいたことで
- 甲羅の形や模様、色合い
- 口先がとがっていること
- 手足の形
があとからでもはっきりとわかり、とても調べやすくなりました。
これが記憶だけだったら、ディティールがどこかあいまいになってしまったかもしれません。
また、デジタルで撮った写真は拡大が自由にできるのも強みです。「ここをもっとよく見たい」というところをアップでみることができるのですね。
より観察しやすくなります。
合わせて撮っておく
この日は、別のカメもいました。
場所の関係でこの角度からしか撮れませんでしたが、顔の模様をみるとミドリガメということがわかります。
が、甲羅がはがれている様子から、ずいぶんと年を重ねているのではないかと思われます。
しばらくみていても、この体勢のまま。動く様子がありません。
そこで足をアップで撮ってみました。こんな形をしているんですね。指のようなものがあり、爪が生えていることもわかります。
先ほどのスッポンとは、足の形がずいぶんと違いますね。
こうして撮ると、カメといっても種類によっていろいろな違いがあることがわかります。
また、可能であれば、その場所の全景も撮っておくと、よりよい観察記録になります。
まとめ
今回は、写真を撮ることは知らないものに出会うチャンス、観察してみようをテーマにお届けしました。観察をテーマにして撮影をすると、近場でもたっぷりとたのしめますよ。
よかったら参考にしてみてください。