一眼レフやミラーレス一眼の初心者さんで「カメラって覚えることがいっぱいで難しそう」と思う人は、最初からすべてを理解しようとしないこと。これ、すごく大事です。
デジタル一眼はなぜ難しくみえるのか
デジタル一眼が難しくみえる理由は、大きくわけると2つあります。
1・説明不足(専門用語を多用&最低限の操作しか説明していない)
2・解説がわかりにくい
1は説明書が代表的ですね。カメラの説明書って初心者さんにとっては本当に分かりにくいと思います。
いきなり専門用語が出てくるわ、その操作をしたらどうなるかがよくわからないわで、初心者さんには大変厳しい内容になっているかと思います。
で、初心者さんはどうするかというと、説明書だけではよくわからないから、入門書を買ってみたり解説しているサイトを探すわけです。
ところが、これがまた分かりにくかったりします。カメラの場合、ちょっと特殊なのですが、「解説が丁寧であればあるほどわかりにくい」ということが起こります。
「丁寧であればあるほどわかりにくい」とは
カメラの場合、入門書でも解説サイトでも、丁寧になればなるほど、原理からの説明になります。
たとえば車なら、ブレーキの原理やしくみを理解していなくても「ブレーキを踏めば止まる」ということが分かっていれば、ちゃんと止まりますよね。「どこの機械がどう作用して、その機械の原理はこういうふうだから」なんていちいち覚えませんよね。覚えることは「ブレーキを踏めば止まる、どっちの足で踏むか」だけです。
カメラも、本来は「ここを押せばこうなる」だけを覚えればいいのです。初心者さんがまず求めていることはこれなのです。
だけど、カメラの場合は丁寧な解説をするところほど、原理の説明から入ります。「絞り」の説明ではなぜか日本では揃って蛇口とバケツを例に挙げて、あれこれと語ります。ブレーキの仕組みをあれこれと語って、「ね、だから止まるんだよ」という解説をしているわけです。
そう、だから分かりにくいのです。原理やしくみの話と、操作方法の説明がごちゃまぜになっているのですね。
だから、本当はかんたんなこともやたら難解なことのように思えてきてしまうのです。
カメラの解説の場合、こんな感じ
車でしたら「車のライトをつけたい」場合なら、説明は
・ライトはこのスイッチです。このスイッチを入れればライトがつきます。
これだけで完了ですね。
でも、カメラの場合は、丁寧に解説しようとするほど、これを原理やしくみから説明してしまいます。
上にあげた「車のライトをつけたい」例も、カメラの場合は
・ライトがつくのはなぜか(しくみ、原理)
・機能の名称、用語の意味・由来
・明るさの段階、方向
・ライトをつける方法と考え方
などを丁寧に&いっぺんに話します。
だから、とてもややこしく思えてしまうのです。その上、専門用語が入ってきたりしますから、余計にむずかしく感じてしまうのです。
カメラの入門書を難しいと感じた人が、カメラ女子向けの本を読んだら「すごくわかりやすかった」という感想を持つことが多くあります。
それは、しくみの話を最低限にして「こうすれば、こういう写真になるよ!」ということをシンプルに解説している点も大きいと思います。
丁寧すぎるがゆえにややこしい
カメラのしくみや原理から説明するスタイルは、メカに興味のある人にはいいのでしょうが、車でいうところの「とりあえずライトのつけ方が知りたい」人には、けっこうなハードルだと思います。
とても親切なのはわかるのですが、こういう説明のしかたですと、どれもが今覚えるべきことやとても重要なことに見えてしまいます。混乱してしまう原因の1つでもあると思います。
じゃあ、どうしたらいいの?
では、むずかしさを感じる人はどうしたらいいのでしょう。
そう、上に挙げた例の逆を考えればいいわけです。
カメラの本を読むときも、話を聞くときも「しくみ・原理・名称・システム・考え方」はとりあえず横に置いておく。
つまり、「これを踏めば車は止まります」というような操作の部分だけをみるようにするわけですね。
これだけでむずかしさが消えて、すごく楽になります。
たとえば、「写真が暗かった。もう少し明るく撮りたいなあ」というときなら、「どこをいじったらいいか」「どういう操作をしたらいいか」だけをみるようにします。
たとえ入門書であろうと、最初から全部を覚えようとしない。
原理やしくみはさておき、「何をしたらいいか」だけをまずは覚える方法です。
しくみや原理を知ることは必要ないの?
でも、しくみや原理を知ることは、決してムダではありません。知っておくと、役立つことがいっぱいあります。
だけどそれは、今すぐではなく、今の操作を無理なく出来るようになってから、必要なときに少しずつ覚えていけばいいとわたしたちは考えています。
慣れてきて分かること、写真を撮っていくうちに理解ができようになることもいっぱいあります。
最初からすべてを覚えようとすると、必要以上のむずかしさを感じてしまったり、知識と照らし合わせながら「この撮り方でいいのだろうか」という答えあわせのような撮り方になってしまうこともあります。
はれときどきカメラはこう考えます
せっかくカメラというたのしいものがあるのに、「これで合っているのだろうか」「何か間違っていないだろうか」と思いながら撮るのは非常にもったいないと思います。
最低限の「操作」を覚えたら、じゃんじゃん撮る。たのしく撮る。
そして、撮るたのしさ、写真のたのしさを覚えること。
この場面は、こういう撮り方で間違っていないだろうか・・・そんなこと全く気にする必要はありません。楽しまないほうが間違っています。
「たのしそうだから」カメラをはじめたよという人、きっと多いですよね。
じゃあ、たのしく撮りましょ♪それがいちばん大事なことだと思います
■はれときどきカメラの写真教室は岐阜県大垣市で開催しています。