写真は光の向きや強さによって様々な表情をみせてくれます。
今回は写真における「光」についてみていきます。
明るいところ・暗いところ
全体を一定の明るさではなく、「明るいところと暗いところ」をつくると、画面にメリハリが生まれます。
こちらの写真はかえるに光があたっていて、背景にはあまり光があたっていません。そのため、かえると背景との間に明暗差ができ、主役が際立つ形になっています。
このように画面内に「明るいところと暗いところ」をつくると、シンプルな構図でもメリハリをつけることができます。
こちらの写真はバラだけに光があたっていて、背景は光があたらずにカゲになっています。
そのため、背景が暗くしずみ、主役が浮き上がってみえます。こうしたシーンでは、光が強ければはっきりとしたメリハリがつき、光が弱ければやわらかくメリハリがつきます。
また、背景が暗くしずむと、画面をシンプルにまとめやすくなるというメリットもあります。
こちらも「明るいところと暗いところ」がある写真ですが、光が弱いため、やわらかなメリハリになっています。
このように、光の弱い場面でも「明るいところと暗いところ」があれば、度合いの差はあれど、明暗差が出ます。
カゲを入れてみる
画面内にカゲを入れてみると、一定の明るさで撮るのとは違った雰囲気を出すことができます。
こちらの写真は、光の色に加えてカゲが入ったことで、「夕方らしい雰囲気」が出ています。
また、カゲが入ることにより、ちょっとした哀愁も感じられる1枚です。
表情のあるモチーフは、顔にカゲが入ることによって様々な感情を演出することができます。
その昔、白黒映画(モノクロ映画)では、顔にカゲを入れることで相反する感情を表すといった方法も使われていました。
カゲは被写体の立体感を出すのにも使えます。平面である写真の中に、いかに立体感を出すか―「奥行き」とあわせて、「カゲ」は非常に重宝する方法です。
カゲは、不必要なものを「省略」するのにも使えます。
「はっきりとしたディティールを見せる必要がないもの」がシルエットになるように撮ると、画面がまとまりやすくなります。
明るさの段階
画面上に「明るいところと暗いところ」をつくるときは、明るさと暗さの間に「段階」をつくると雰囲気を出しやすくなります。
「いちばん暗いところ」と「いちばん明るいところ」だけでなく、「中間の明るさ」も意識すると写真がよりたのしくなります。
また、「いちばん暗い(明るい)ところ」はどこまで暗く(明るく)するかによっても、全体の雰囲気が変わってきます。
デジタルカメラは枚数を気にせずに撮れますので、いろいろためしてみると様々な発見があります。
おしまいに
今回は、写真における光の向きや強さについてでした。同じ光でも撮る位置を変えると、また違った雰囲気になります。
よかったら参考にしてみてくださいね。