MF(マニュアルフォーカス)は、多少の慣れは必要ですが、使えるようになると写真がもっとたのしくなります。
MF(マニュアルフォーカス)とは
MF(マニュアルフォーカス)は、手動でピントを合わせる方法です。
撮影時には、自分でピントリング(フォーカスリング)を回して、ピントを合わせます。
自由なピント合わせが可能になるので、狙った場所にピントを合わせたいときや小さいものにピントを合わせたい時に有効です。
MFのメリット
MFには次のようなメリットがあります。
・狙ったところに確実にピントを合わせることができる
・AFが苦手な場面でもピントを合わせることができる
・ピントを合わせる「おもしろさ」を体感できる
といった利点があります。
写真はアジサイのクローズアップですが、こうしたシーンでAFを使うと、思ったところにピントがこないことがあります。
そんな時もMF(マニュアルフォーカス)なら、自分の合わせたいところにピントを合わせることができます。
AFが苦手とする場面はけっこう多い
AF(オートフォーカス)でピント合わせがうまくいかない場合や、AFが苦手な被写体を前にした時は、MF(マニュアルフォーカス)の出番です。
AFが苦手とする場面はけっこう多く、たとえば次のようなシーンがあります。
・コントラストが低いもの
・色が単調なものや無地のもの
・小さな被写体
・遠近感がわかりにくいもの
・暗い場所
・強い逆光のとき
・反射するもの
・柄物など非常に細かいパターンの繰り返しがある被写体
こうしたものを撮る場合は、AFで何度もピント合わせを試みるよりも、MFで合わせてしまったほうが速かったりします。
MFは「自分がスポットを当てたいところ」にピントを合わせるのにも有効です。
生き物の場合、目にピントを合わせたいところですが、AFだと目の近辺には来ますが、なかなかジャストの位置に来ないことがあります。
そんな場面でも、MFなら厳密にあわせることができます。
MFでピントを合わせるときは「ピントを合わせたい部分」がはっきり見えるようにフォーカスリングをまわします。
この写真なら、かえるがはっきり見えるまで、厳密にはかえるの瞳にピントをあわせるようにします。
AFだと、かえるの目の上など出っ張っているところにピントが合ってしまうことも多く、瞳にバッチリ来ないこともあります。
MFなら小さいものにもピントを合わせやすい
ちょっと怖い感じの写真ですが、ハナアブです。
1cm以下の小さなハナアブでしたが、AFで撮ろうとすると、狙ったところになかなかピントがきません。
そんな時も、MFなら「眼の表面に合わせる」「眼のいちばん手前に合わせる」といった細かいピント合わせをすることができます。
MFを積極的に使ってみよう
MF(マニュアルフォーカス)は、いったん慣れてしまえば、非常に使いやすいピント合わせの手法です。
はじめてチャレンジする方は、まずはAFが苦手な場面のみでMFを使ってみて、慣れてきたら、いろいろな場面で使ってみるようにしましょう。
自分でピントを合わせる面白さが存分に味わえます。
AFとMFの切り替え
MF(マニュアルフォーカス)を使うには、スイッチまたは設定画面でAFからMFに切り替える必要があります。
レンズ側にAF/MFの切り替えスイッチがある機種は「MF」に切り替えるとマニュアルフォーカスが使えるようになります。スイッチがない場合は、カメラの本体のメニュー画面や設定画面で切り替えます。
同じ被写体を同じ構図で撮る場合もMFでピントを固定しておくとスムーズです。何枚も撮る時は、三脚を使うとより確実に撮ることができます。
微妙なピント合わせは自分が動くとやりやすい
微妙なピント合わせをする場合、ピントリング(フォーカスリング)を微調整するよりも、自分の体を前後にほんの少し動かしたほうがスムーズにピント合わせができることがあります。
ピントを合わせたい場所を拡大表示しながらピント合わせが行える「MFアシスト機能」が搭載されている機種なら大いに活用しましょう。
拡大してのピント合わせは、マクロ撮影やクローズアップ撮影向けというイメージがありますが、通常の撮影でも大変に役立つ機能です。より厳密なピント合わせをすることができます。
フルタイムマニュアルフォーカス
機種によっては、AFでピントを合わせた状態でフォーカスリングを回すと、ピントの微調整ができる機能を持つものがあります。AFとMFをくっつけたような機能です。
AFでいったんピントを合わせて、さらに自分で厳密なピント合わせができるので、いろいろな場面で重宝します。もちろん、AFでピントが合った段階でシャッターを切ることもできます。
MFは「自分がスポットを当てたいところ」にピントを合わせるのにも有効です。何にスポットを当てたいのかを考えながら画面をつくることがたのしめます。
まとめ
MF(マニュアルフォーカス)には、AFで撮るのとは違ったたのしさがあります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、いったん慣れてしまえばクセになるたのしさがあります。興味のある人はぜひチャレンジしてみてくださいね。