人物や料理、花を撮影するときは「逆光で撮ること」がよくおすすめされます。
では、なぜ逆光で撮るといいのでしょう。今回は、逆光で撮るとどんなメリットがあるのかについてみていきます。
逆光とは
逆光とは、被写体の後方から光があたっている状態のことをいいます。
逆光には、被写体の真後ろからの光だけでなく、斜め後ろからの光も含まれます(斜め後ろからの光は、半逆光と呼ばれます)。
逆光のメリット
逆光で撮るいちばんのメリットは、「くっきりとしたカゲが入らなくなる」という点です。
強いカゲが目立たなくなるため、写真全体がまろやかでやわらかい印象になります。
逆光で撮ると、上の写真のように被写体の大部分がカゲになります。大部分がカゲになってしまうので、光がしっかりとあたった時のような「くっきりとしたカゲ」は出にくくなるわけですね。
また、被写体の大部分がカゲになるので、「被写体の中にできるだけカゲを入れたくない」場合や、「カゲが入っても、やわらかく目立たないようにしたい」場合にも、逆光での撮影は有効です。
具体的には
- 人物の顔など「くっきりとしたカゲを入れたくない」被写体
- 料理や花などの「やわらかくみせたい」被写体
- 雑貨などの「被写体の中にカゲを入れたくない」被写体
の撮影によく使われます。
透けてみえる
逆光で撮ると、被写体によっては輪郭周辺の部分が光に透けてみえることがあります。
上の写真では、ねこの輪郭部分の毛が光に透けて、面白い味がでています。逆光ならではの効果といえます。
逆光は、顔に入るカゲもやわらかく、全体にまろやかな印象になります。動物の撮影にもおすすめです。
植物を逆光で撮ると、葉や花びらなどが光に透けて独特の雰囲気が出ます。
逆光での撮影:カゲの部分を明るくするには
逆光で撮影すると、場合によっては被写体が真っ暗になるなど、被写体がかなり暗く写ります。
それを防ぐには、主に次のような方法があります。
- カメラの設定を明るめにして撮る
- レフ板を使う
- ストロボやライトを使う
最も手軽なのは1の「カメラの設定を明るめにして撮る」です。写真全体が明るくなり、被写体の暗さも解消されます。
が、難点としては、背景も一緒に明るくなってしまうところ。シーンによっては背景がまぶしいぐらいに明るくなってしまうことがあります。
そうしたシーンでは、2や3の方法がよく使われます。被写体の後方とは別の方向から光をあてて、被写体の暗さを解消するんですね。背景ばかりが極端に明るくなってしまうことを防ぐことができます。
まとめ
今回は「逆光で撮るとどんなメリットがある?」についてでした。
写真は同じ被写体でも、光の向きや角度、カゲの入り方で雰囲気がガラっと変わります。デジタル一眼は、撮影枚数を気にせずに撮れるのが大きなメリットです。ぜひいろいろとためしてみてくださいね。