前回の記事は【「間口の広さ」という話】と題して、現在のカメラメーカーの製品ラインナップについて書きました。
今回はその続きです。
ステップアップしないという選択肢
前回の記事では、現在と以前のカメラメーカーの製品ラインナップについて書きました。
以前は、カメラメーカーの製品ラインナップには、常に「初心者向け」「中級者向け」「上級者向け」それぞれの枠に、現行品がありました。
そうなっていると、ユーザーは自分の状況にあわせてカメラを選ぶことができると書きました。
その例として、
- 自分の財布の状況にあわせて選ぶ
- 自分がやりたいことにあわせて選ぶ
- 自分のスキルにあわせて選ぶ
といった点を挙げました。
この中で見落としてはならないのが「2」の「自分がやりたいことにあわせて選ぶ」です。
「そうとは限らない」こともある
ここで、次の2つの言葉をピックアップしてみます。
- うまくなってくると、もっといい機種が欲しくなる
- 今持っている機種に不満を感じたら、もっと上の機種がほしくなる
……一見すると、どちらも「もっともなこと」をいっているように思います。
が、実はここが落とし穴で、どちらも必ずしも正解ではないのですね。
なぜなら、「自分がやりたいことにあわせて機種を選ぶ」人にとっては、そうとは限らないからです。
たとえば、今持っているカメラの画素数が、自分のやりたい表現にあっていると感じる人がいたとします。
ならば、この人が次に求める可能性が高いのは、性能や機能(と価格)がアップしたカメラではなく、自分のやりたい表現ができそうなカメラでしょう。
場合によっては、同じカメラをもう一度手に入れようとするかもしれません。
今持っている機種に不満を感じたら
上で例に挙げた「今持っている機種に不満を感じたら、もっと上の機種がほしくなる」についても考えてみましょう。
これも一見すると、当たり前の感覚のように思えますね。
でも、必ずしも正解ではありません。
なぜならもっと上の機種ではなく、
- 今持っている機種と同じぐらいの価格の別商品を探す
可能性もあるからです。
同じような価格帯で「こっちの機種だったらどうかな?」「このメーカーだったらどうかな?」などと探すケースもあるわけですね。
そう、次に買う人が必ずしも上位機種にステップアップするわけではないのですね。この点は重要なポイントです。
次回に続きます。