前回の記事では「ステップアップしない選択肢」と題して、次に買う人が必ずしも上位機種にステップアップするわけではないという点について書きました。
今回はその続きです。
「このぐらいまでかな」という感覚
人には「そのアイテムに出せる金額」という感覚があります。
カメラでいえば「カメラ(レンズ)だったら、このぐらいの金額までなら出せるかな。でも、それ以上はちょっとないな」といった感覚です。
この金額の感覚は、カメラという趣味を続けていると変動していくことがあります。最初のころよりも「もっと高い金額を出してもいいかな」と感じるようになるケースですね。
……が、当然のことながら、こうした人がすべてではありません。
いくらカメラが好きな人でも、「ここまでは出せない」「ここまでの金額は出す気がない」というラインがあります。
ですので、「これからカメラをはじめてみようかな」という人はなおさらかと思います。
- ちょっと興味があるだけなのに
- 続くかどうかわからないのに
という人が、いきなり高額なものに手を出かどうかといわれると、なかなか難しいのではないかと思います。
高価格路線の先にあるもの
現在のカメラメーカーの製品ラインナップをみていると、高価格化路線に入っていることは間違いないかと思います。
カメラ業界の厳しさ、スマホのカメラとの差別化などを考えると、致し方ないことなのかもしれませんが、ユーザーとしては次のように考えてしまうことがあります。
- 自分にとって、それだけの金額を出すほどの価値があるものなのだろうか
こんなことをいっては元も子もないかもしれませんが、そう思ってしまうんですよね。
だって、普通に写真を撮ることをたのしむのであれば「そこまでのスペックも機能もいらないし……」と思ってしまいます。
ましてや今のように「撮って出し」ではなく、ソフトを使った補正や加工が全盛の時代になってくると、カメラ本体のスペックに頼らなくても「補正や加工でそれっぽくみせられる」というアプローチができるんですよね。
もちろん高い機種で撮ったものに及ばない点は多々あるでしょうが、
- モニターで見る分には違いがあまりわからないんじゃないかな?
- 厳密にアラを探そうとする人がどれだけいるのかな?
という気もします。
こうした部分で圧倒的な違いを感じるのであれば、「さすが高いだけあるなあ!手に入れたいなあ」と思うのでしょうが、そうでない場合は購買意欲にはつながりにくいように思います。
いずれにせよ、今はデジタル一眼もレンズも全体に高くなり、これまで初心者向け・中級者向け機種でたのしんでいた人たちの行き場はどこになるのだろう?と感じます。
次回に続きます。