前回の記事では「オートモードは誰のための機能なのか」と題して、カメラのオートモードについての考察をお届けしました。
今回はその続きです。
オートモードの本質
前回の記事ではオートモードを使う場面をいくつかピックアップしました。
それをふまえて考えてみると、オートモードは決して「初めてデジタル一眼に触った方」だけに向けた機能ではないことがみえてきます。
なんといっても手軽に撮れますから、経験者の方にとっても「常に必要な機能ではないかもしれないけれど、あると便利な機能」であることには間違いないかと思います。
さて、ここで重要なキーワードがでてきました。
それは
- 手軽に撮れる
という言葉です。
「手軽に撮れる」ということ
この「手軽に撮れる」という点に着目してみましょう。
すると、とてつもない強敵が出てくるのですね。
- スマホのカメラ
- あるいはコンデジ
「手軽に撮れる」という点に関しては、両者はデジタル一眼にとって強敵中の強敵であります。
なぜなら、「手軽に撮れる」だけでなく、「手軽に持ち歩ける」要素も兼ね備えているからです。
さらには、スマホのカメラに関しては「かんたん操作でキレイな写真が撮れる」方向で進化していますから「手軽さ全般」では、デジタル一眼のそれを圧倒しています。
対して、スマホのカメラに対しての「デジタル一眼のアドバンテージ」は
- スマホのカメラよりもキレイに撮れる
- いろいろなことができる
のはずなのですが、いずれも「設定や補正をきちんとしたら」「機能を理解して使えば」という但し書きがつきます。
そう、これらの「スマホのカメラに対してのアドバンテージ」を伸ばした結果が、今のデジタル一眼の形なんですね。
……が、ぶっちゃけた話、誰でも「かんたんにキレイな写真が撮れたらうれしい」のですよね。
それはデジタル一眼も同じです。
「かんたん」ということ
デジタル一眼を買う人の多くは、面倒な操作をしたいからデジタル一眼を買うわけじゃないんですね。キレイな写真を撮りたいからデジタル一眼を買うわけです。
もちろんデジタル一眼を初めて買う方については言わずもがなです。
――となれば、多くの方のファーストコンタクトになるであろう「オートで撮る(オートモード)」は、本来は非常に大きな役割を持っているはずなのですね。
ここでスマホのカメラを圧倒する写真が撮れていたのであれば、今ほど「スマホのカメラで十分」という流れにはならなかったような気がします。
次回に続きます。