写真を撮る際に「考えて撮る」ことはとてもよい勉強になります。
今は「知りたいこと」を知りやすい時代になりました。ネットで調べれば、かなりの確率で「知りたいこと」の答え、あるいはヒントを知ることができます。
写真でいえば、撮り方。
「こんな撮り方をしてみたい」と思った時は、ネット検索を活用すれば「そのものズバリの答え」あるいは「答えにつながりそうな情報」を得ることができます。
情報は自分の目と足で探すしかなかった時代に比べれば、夢のような時代といえるでしょう。
が、こうした時代に気をつけたいのは、「創意工夫のたのしさ」を忘れないこと。
今回はこの点について書いていきます。
誰でも同じようにできるレシピ
たとえば、ある人が「こんな写真を撮りたい」と思い、その方法を調べたとします。
そして「そのものズバリの答え」をみつけ、その方法で写真を撮ったとしましょう。すると、同じように撮れるのでうれしい気持ちになります。
「同じように撮れた! やったぁ!」というわけですね。
こうした経験はとても大事です。が、心にとめておきたいことがあります。
レシピの有効性を証明する行為
それは、その写真は『同じように撮れるマニュアル』があったから撮れたものという点です。
そのマニュアルは、料理でいえば「誰でも同じように作ることができるレシピ」です。その手順通りにやれば、どなたでも同じようにできますよというものです。
ここで先ほど挙げた例をもう一度みてみましょう。
こんな流れでしたね。
- 「こんな写真を撮りたい」と思い、その方法を調べる
- 「そのものズバリの答え」をみつけ、その方法で写真を撮る
- 「同じように撮れた! やったぁ!」
この流れだけをみると、よい経験・よい勉強をしたように思えます。
が、この状態を「料理のレシピ」に置きかえて考えてみると、違った面がみえてきます。
そう、上で挙げた撮り方は、「レシピ通りにやれば誰でも同じように作れる」ことを体感しただけなんですね。
つまり、この段階では「このレシピでつくってみました」というだけで、自分の方法ではないということですね。
選択肢
さて、レシピを実践したあとにどうするか。ここが重要なポイントです。
今の時代、
- ほかの写真を撮るときにも、前と同じようにレシピを探す
のも選択肢の1つです。
レシピをどんどんと調達していけば、いろいろなスタイルの写真が撮れるでしょう。
が、こうした方法で得られるたのしさ・うれしさは、どこまでいっても「レシピ通りに撮ったらちゃんとできた!」というものです。
「撮れてたのしい・うれしい」という感情だけをみると気づきにくいですが、自分で創意工夫して撮った写真のそれとは性質が違うという点が重要です。
レシピをきっかけに考える
レシピを使うときは、せっかくですから自分のスキルアップにつながるように活用していきましょう。
レシピを使う際に重要なのは「なぜそうするのか」「なぜそうなるのか」と考えることです。
たとえばレシピに「この操作をします」とあったら、
- なぜその操作をするのかを考える
- 「その操作をした場合」と「しない場合」の違いを考えてみる・試してみる
のですね。
このようにすると、「その操作をする理由」や「撮り方の原理」がみえてきます。
こうして、マニュアル通りに手順を重ねるだけでなく、自分の頭で考え、その根本にあるものをみつけていくのですね。
このようにして「自分でみつけたもの」は、自分の頭に定着しやすいのもメリットです。
次回につづきます。