自然のあるところで写真を撮っていると、ひょっこりと顔を出す虫さんがいたりします。今回は昆虫をたのしく撮るためのTipsをお話します。
アップで撮る?背景を入れる?
昆虫を撮る時は、「アップで撮ったほうがいいのか」または「背景も入れて撮ったほうがいいのか」を考えてみましょう。まずは近づいて撮った例を挙げてみます。
シジミ蝶(ベニシジミ)です。全身タイツの人みたいな格好をしています。チョウチョというと羽根の印象が強いですが、こうして撮ると「シジミ蝶って、実はこんな姿!」的なおもしろさが出てきます。蝶の標本では見られない角度ですね。
次は少し離れて撮ってみたものです。
最初の写真よりもシジミ蝶自体は小さく写っていますが、その分、花と背景が入りました。よく見ると蜜を吸っていますね。脚もしっかりとした感じが見てとれます。こうして背景を入れると、チョウチョの生活感のようなものが出ます。ちなみに、昆虫は目にピントをあわせると雰囲気が出やすいです。
次はもう少し離れて撮った例です。
先ほどまでの写真に比べ、こちらはチョウチョの顔がみえなくなり、ふだん目にする感じのチョウチョの雰囲気になりました。かわいらしさも出ていますね。
最初の2枚は迫力や「チョウチョって以外とがっしりしているなあ」という感じがありましたが、この写真は華奢な感じがします。昆虫は「この撮り方が正しい」というよりも、自分が出したい雰囲気にあわせて撮るのがよいと思います。
アップで撮らないというアイデア
最初に挙げたシジミ蝶は、アップで撮ってもユニークでしたが、昆虫はアップで撮ると怖く見えることも多いです。アップで撮ると迫力は出ますが、かわいらしさは消えてしまうこともあります。例を挙げながらみてみましょう。
まずはアップでない例です。
ハナアブは小さなハチみたいでかわいらしいです。花や背景を入れると、ハナアブのサイズの小ささがわかります。
アリさんと早食い競争をしているみたい。・・・とこうしてみるとかわいらしいのですが・・・。アップで撮るとこんな感じになります↓
は、ハエみたいで怖い!なんか鼻栓してるみたいだし!こうして撮ると、上でみたハナアブのかわいらしさが微塵もありません。ハナアブはハエ目に属するので、ハエらしくて当たり前なのですが、アップで撮ると迫力は出ますがかわいらしさがふっとんでしまいます。
すごい顔です。笑ってるみたいな顔がユニークですが、かわいいハナアブのイメージが崩れてしまいますね。宇宙人っぽくもみえます。
・・・といった感じで、アップで撮るのと距離を置いてとるのとでは、ずいぶんとイメージが変わってきます。
この場合も自分が撮りたいイメージで考えます。「かわいい」を主軸に置くのなら、鼻栓をしているようなハナアブはナシでしょうが、迫力や「肉眼ではみられない雰囲気」に主軸を置くのならアリだと思います。
まとめ
今回はチョウチョやハナアブを例にお話しましたが、ほかの昆虫でも考え方は同じです。
昆虫は目にピントをあわせるのがポイントですが、AF(オートフォーカス)だとなかなかピントが合わないケースも多くあります。その場合はMF(マニュアルフォーカス)も活用すると撮りやすくなりますよ。みなさんも機会があったらぜひ撮ってみてくださいね。