今の時代はネットを使えば、たくさんの情報を手に入れることができます。
ネットを使う利点はいろいろとありますが、たとえば次の2点は多くの人が感じたことのあるポイントかと思います。
- わからないことがあったらすぐに調べられる
- ネットがなければ知ることが難しかったであろう情報も手に入る
そう、非常に手軽になったんですね。
今ほどネットが普及する前は「ほしい情報を得る」のは一苦労でした。
たとえば
- ほしい情報が載っていそうな本を買う、そこに載っていなければまた別の本を買う。
- あるいは、その情報を得られそうな場所(または人)を探して、時間をかけて「ほしい情報」に近づいていく。
……などなど、時間お金、労力をかけて得るのがスタンダードだったように思います。
「見て盗む」ということ
今はあまり耳にしなくなったように思いますが、以前は「見て盗む」なんて言葉もよく耳にしました。
技術を学ぶ際に、目にする機会の多い言葉で「技術なんてものは教わるものじゃない。見て盗むものなんだよ」といった感じで使われるものでした。
この言葉をわかりやすくいうと、
- 言葉では教えないよ。自分の目でみて、感じて、どうやったらそれができるようになるのか考えて取り組みなさい。
といった感じ。
趣味にしても同様で、「習うより慣れろ」なんて言葉も、今よりも耳にすることが多かったように思います。
こうした場合、当然のことながら、「知りたい側」がいきなり答えをみつけられるようなことはほとんどありません。
試行錯誤しながら答えへの道筋を探していく、あるいは、長い時間やたくさんの労力をかけてようやく何かがみえてくる――そんなプロセスがあったように思います。
その先にあるもの
見て盗む。
――この方法は、「自分の目でみる」「自分の目でみて感じる」「自分の頭で考える」ことが非常に重要なポイントになります。
常にこの3点が求められるので、自然とそれぞれの行為が「鍛えられる」という側面があります。
その反面、「自分」が基準になる部分が大きいため、
- どれだけ頑張っても答えがみつからないこともある
- 間違った方向の努力をしていても自分では気づきにくい
- 人によって結果がバラバラになりやすい
という部分もあります。
「何をしたらできるようになるのか」という手順や答えが提示されていないので、それを自分なりにみつけるところからの作業になるわけですね。
そのため、「できるようになる人」もいれば「できないまま終わってしまう人」もいる。何もつかめずに「まったく形にならないまま終わってしまう人」もいるでしょう。
そう、かなり振り幅が広いのですね。
そのかわり、ルートを人それぞれで自分なりのアイデアで切り開いていくわけですから、ユニークな道筋がみられたり、その人ならではの方法がみられたりと、取り組み方に個性が強く出ます。
次回に続きます。