前回の記事では、「うまく撮りたい」という思いに縛られて、写真を撮るのがつらくなることがあるケースについてお届けしました。
今回は、写真を撮るのがつらくなったときに、「自分をつらくさせる要素」や「プレッシャーを感じさせる要素」を減らす方法についてお届けします。
人と比較しすぎない
まずは、自分をつらくさせる、プレッシャーを感じさせる大きな要素の1つ、「比較」からみていきましょう。
まず大前提として、人が撮った写真で「いいな」と思うものがあれば、それをみて学ぶことは大切なことです。
- あ、自分ならこう撮るけれど、この人はこう撮るんだ
- なるほど、こう撮ればいい雰囲気になるんだ
などなど、人の写真をみて、学べることはたくさんあります。
写真をみながら、「こうすれば自分の写真がもっとよくなりそうだ」という点を自分なりにみつけるわけですね。
こうした比較の仕方は、自分の成長につながります。
悪い方向で比較しない
……が、ここで気をつけたいのは、悪い方向で自分と比較してしまうことです。
たとえば
- この人に写真に比べたら、私の写真なんて……。
などと、マイナス方向にとらえてしまうケース。これは絶対に避けたいところです。
というのも、こうした比較の仕方を重ねていくと、自分の中で「今の自分よりも上を目指す希望」がどんどんと失われていきます。
「どうせ私の写真なんて」「自分では、どれだけやってもかないっこない」という思いばかりが積み重なってしまうのですね。
こうなると、撮っていてたのしくないですし、「がんばっても報われない」という思いが自分の中に根付いてしまい、とてもつらくなってしまいます。
「うまくなりたい」という思いはあるものの、「どうせ無理」という感情がそれを飲み込んでいきます。
そう、非常につらい結果になってしまうんですね。
特に今は、SNSでいくらでも自分との比較対象を探せる時代です。
「こうすれば自分の写真がもっとよくなりそうだ」という目的を持っての比較は勉強になりますが、自分のマイナス方向に向ける比較は、悪い結果しか招きません。
こうした点は特に注意しておきましょう。
自分の過去作品と比較しない
「常に自己ベストを更新していく」というのは理想ですが、実際にやってみると、なかなかそうはいきません。
前よりもスキルは上がっているはずなのに、「前の作品以上のものが、なかなか撮れない」と感じることもあります。
こうしたときに気をつけたいのは、先ほどの項目と同じように「マイナス方向にとらえない」ということです。
たとえば
- 何で前よりうまく撮れないんだ。何が原因なんだよ!
- 今の自分は前よりもダメになっているのか?
- 撮れば撮るほど下手になっている気がする……。
などと考えてしまうのは、絶対に避けたいところです。
そう、この状態は上の例と同じです。
「前はあんな作品が撮れたのに、今の自分は……」と比較して、自分を卑下してしまっているのですね。この状態に陥ってしまうと、相手が自分自身なだけに、本当につらいものがあります。
作品に関しては、スキルだけではどうにもならない部分があります。
条件やタイミング、その時期でなければ浮かばないアイデアがある……など、いくつもの要素が揃って成り立つケースも多々あります。
うまくいくときもあれば、そうでないこともある。自己ベストを更新できない時はつらいですが、そのぐらいのスタンスでのぞむのがちょうどよいかと思います。
成長すればこその壁
今回は、「自分をつらくさせる要素」や「プレッシャーを感じさせる要素」を減らす方法の1つ、「比較」に焦点をあててお届けしました。
記事で解説したことは、いずれも成長したからこそ遭遇する点でもあります。言葉では同じ「比較」でも、どのように比較して、どのように積み重ねていくかによって、大きな違いが出てくるというわけですね。
次回は2つめの方法についてお届けします。