近年はカメラ雑誌が次々と休刊し、その代替としてネットでカメラや写真に関連する情報を得ている方も多いかと思います。
ネットで情報を得る際に注意したいのは、基本的に「新しい情報」「アクセス数(あるいはページビュー)が多い情報」が目につきやすい傾向があるという点です。
たとえばブログやサイトでしたら、情報が新しいものほどトップページや目立つ位置に表示されるしくみになっていることがほとんどです。
また、アクセス(ページビュー)の多い記事は、人気記事としてこちらも目立つ位置に表示されたりします。また、ネットの掲示板やSNSも同様で、やはり新しい話題やアクセスの多い話題が目につきやすい傾向があります。
こうした状況の中で気をつけたいのは、「自分の目に入ってくる情報だけがすべてではない」ということです。
染まる・染まらない
ネットで「新しい情報」あるいは「アクセス数(あるいはページビュー)の多い情報」にばかり触れていると、次のように考えてしまうことがあります。
- へえ、今はこんなスタイルが人気なんだ
- すると、自分のスタイルはもう古いのかな?
- 自分の写真も今流行っているスタイルにあわせるべきなのかな?
今、まさにこの問題で悩んでいる方もいるかもしれません。
こうした疑問に直面したときは、次のように考えてみましょう。
流行るということ
「流行っているもの」は、時間とともに変わっていくのが常です。中には人気が長く続いていくものもありますが、ほとんどのものは時間とともに「過去のもの」になっていきます。
そして不思議なことに、いったん「流行が過ぎたもの」は、妙に古くみえたり、「なんでこれが人気があったんだろう?」と感じさせられたりする傾向があります。
つまり「今、流行っているもの」の多くは一過性ものである――この点を考える必要があります。
そう考えると、自分の写真スタイルについてもみえてきます。
たとえば、今、流行と思うスタイルに切り替えたとしましょう。すると、その先には次のようなことが待っている可能性もあります。
- その流行が終わったら、せっかく切り替えたスタイルが古いものになる可能性がある
- 次の流行がきたら、その流行にあわせて、また自分のスタイルを変えるのか
そう、「流行の状況次第」で自分のスタイルが落ち着かない可能性が出てくるわけですね。
新しいものを取り入れるということ
「新しいものを取り入れること」は、自分が成長していく上で大切なことといわれます。
が、ここで注意したいのは、次の点です。
- なんでもかんでも「新しいもの」を取り入れればいいわけではない
- なんでもかんでも「今持っているもの」を新しくする必要はない
これは「老舗のお店をよりよくするために、新しいものを取り入れる」場合のことをイメージするとわかりやすいかと思います。
すると、老舗のお店をよりよくするためには、「新しいものの取り入れ方」がポイントであることがみえてきます。
たとえば
- 老舗のよさを生かしながら、新しいものを取り入れる
- 老舗のよい部分はそのまま残す。新しいもののほうがよい部分はそれを取り入れる
- たとえ「新しいもの」でも、老舗のよさを打ち消してしまうようなものは取り入れない
……などなど。
つまり、「老舗のよさ」+「新しいもの」で、よりよくなるように考えるわけですね。
そのためには、「新しいもの」だけでなく「今、自分が持っているもののよさ」を理解する必要があります。
写真のスタイルの場合も同じように考えてみましょう。
すると、
ようなやり方は、ちょっと違うような気がしますね。
先ほど挙げた「老舗のお店」の例に沿うのであれば
が、近い考え方であることがわかります。
このようにすると、次に新しいものを取り入れるときも「自分が持っているよさ」は継続しますから、「新しいものを取り入れながら、進化していく」ことを目指していけるわけですね。
次回に続きます。