写真を撮る際に「どんな明るさで撮ったらいいのか」は難しい問題です。
明るさの設定はカメラまかせてもいいのですが、あくまで計算によって出されるものなので、「自分のイメージと違うなあ」ということがよくあります。
自分で設定する場合も
- よく「この明るさでいいのかな?」と迷う
- なんとなく明るさを決めている
など、難しさを感じている方も多いかと思います。
こうした問題については「経験を積めばわかってくる」と言われたりもしますが、「具体的に何をどうしたらいいのかわからない」という人もいるでしょう。
そこで今回は、明るさの感覚を身につけるのによいアイデアを紹介します。
「軽いのか重いのか」で考える
撮りたいもののみつけたら、まず「色からどんな印象を受けるか」を考えてみましょう。
ここでのポイントは、その印象を「軽いか重いか」で考えるという点です。
これには正解はありませんので、自分の感覚で構いません。
その色をみて「なんだか軽い感じ」と思ったら軽い、「ちょっと重そうだな」と思ったら重い――そのぐらいのイメージで構いません。
色でイメージするのが難しいときは、被写体から受ける印象でも構いません。この場合も「軽いのか重いのか」で考えます。
軽い印象を受けた
色や被写体から受ける印象が「軽い」と感じた場合は、次のように明るさなどを調整します。
- 実際より明るめにする
- コントラストを低めにする
このようにすると、全体が軽快な印象になります。
上の2つの処理は画面を明るくするのと合わせて、「明暗差を減らす」効果があります。
明暗差を減らすと、暗いところが軽くなる(暗いところが締まらなくなる)ため、画面全体がゆるくふわっとした印象になります。
また、画面内にはできるだけ暗い色や重い色が入らないようにするとより効果的です。
色彩の感覚は、映像や絵画の専門書をみるとより理解が深まります。
重い印象を受けた
色や被写体から受ける印象が「重い」と感じた場合は、次のように明るさなどを調整します。
- 実際よりも暗めにする
- コントラストを少し強くする
このようにして撮ると、全体が重い印象になります。
上の2つの処理は画面を暗くするのにあわせて、明暗差を際立てる効果があります。また、画面が暗くなることにより、色の鮮やかさも押さえられます。
そのため、画面が締まってみえ、重さを感じる仕上がりになります。
画面を構成するときに「落ち着いた色のもの」や「渋めの色のもの」でまとめると、より重みのある演出をすることができます。
色の組み合わせやイメージは、配色の専門書を読むと感覚がつかみやすくなります。
効果が覚えられる
こうした撮り方をする場合は、必ず「普通に撮ったもの」と比較できるようにします。
つまり
- まずは普通に撮ってみる
- 次に重さを意識して撮ってみる
といった感じで、それぞれ撮ってみるわけですね。
このようにすると、「普通に撮ったもの」と「重さを意識して撮ったもの」の違いを自分の目で確認することができます。
設定を変えることでどんな効果があるのか、その設定の意味が実感できるというわけですね。
専門書で色の本質を知るのもいい勉強になります。
まとめ
今回は、写真の明るさの考え方と練習方法をお届けしました。
「自分の目で比較してみて、その違いを知る」――とてもいい練習になりますよ。この方法はおすすめですので、興味を持った方はぜひやってみてください。