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状況をそろえたつもりでも

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前回の記事では「同じようにならない」と題して、「本に載っているのと同じ設定で撮ったのに、どうしても同じ色合いにならない」というケースについてお届けしました。

同じようにならない
デジタル一眼を買ったばかりの頃、「写真の色合い」についてずいぶんと悩んだことがあります。 それは本をみて「いいな」と思った写真があったときのこと。 その写真は色合いがとてもステキで、なんだか夢の世界のような雰囲気がありました。そのペ...

今回はその続きです。

不完全な状況

本に載っているのと同じような状況で撮ったのに、同じような色合いにならない――。

前回の記事では1つめの原因として「本に載せていない情報がある」ことを挙げました。今回は2つめの原因「不完全な状況」についてお届けします。

こうしたケースでは、「状況をそろえきれていない」ことが原因となる場合があります。

たとえばこんなケース

私が過去に経験した例を挙げてみます。

ある本に、小物の撮影方法が載っていました。その本にはカゲになるところの明るさをコントロールするのに、「レフ板を使ってみよう」と書かれていました。

そこに

  • レフ版は、白い画用紙で代用してもOK

といったことが書かれていたんですね。

が、家に白い画用紙がなかったので、「白っぽい紙ならなんでもいいだろう」と手元にあった適当な紙を使ってみました。

そうして撮ってみると、レフ版がはねかえす光がやたらと硬く、なんとなく色がついているようにも思えます。本に載っていた写真に比べると、ずいぶんな違いがあります。

――これを読んでいる方は、答えはお分かりかと思います。

そう、同じように撮りたいのなら

  • できるだけ同じような状況にするのが鉄則

なんですね。

つまり、白い画用紙が手元にないのなら、代用品は「白い画用紙にできるだけ近い性質の紙」を選ぶ必要があったわけです。

それを私は「白っぽい紙ならなんでもいいだろう」と、色すらも適当なイメージで紙を選んでしまったのが問題だったんですね。

ちなみにこのときに選んだのは、次のような紙でした。

  • 一見すると白っぽいが、よくみると、やや青みがかかっている
  • 表面が少し硬く、光沢感がある

一般的に画用紙と呼ばれるような紙とは違ったタイプの紙です。

そのため、白い画用紙をレフ板に使うのとは違った性質の光がかえってしまったのですね。

このことに気づいてからは、レフ板に使うものを選ぶのがたのしくなりました。同じ白でも、材質や白の度合いによって、かえす光の印象がずいぶんと変わります。

「~したつもり」に注意

今回は「レフ板を代用したつもりだったけれど、適当に選びすぎてしまった」という例をお届けしました。

代用品は「性質が近いので、同じ用途で使える」ものを選ぶのが最適なのですが、今回例に挙げたのは「形だけが似ているもの」を選んで失敗してしまった例です。

「性質」のところまで目を向けるべきだったのですね。

次回に続きます。