デジタル一眼を買ったばかりの頃、「写真の色合い」についてずいぶんと悩んだことがあります。
それは本をみて「いいな」と思った写真があったときのこと。
その写真は色合いがとてもステキで、なんだか夢の世界のような雰囲気がありました。そのページをみると、なんと撮影時のカメラの設定も載っています。
身近な題材をテーマにした写真だったので、自分でも同じようなシチュエーションで撮れそうです。となれば、あとは撮るだけです。
「デジタル一眼があれば、自分でもこんな色合いの写真が撮れるんだ!」と胸を躍らせながら撮影にいきました。
……が、残念ながら、結果は散々。
どのようにやっても同じような色合いの写真にはなりませんでした。
これは私のケースですが、同じような経験をしている方は少なくないかと思います。
答えは別のところにあった
なぜ同じような色合いにならないのか――今回はこうしたケースについて考えていきましょう。
このような場合、様々な原因が考えられますが、代表的なものをピックアップしていきます。
本に載っているものとは別の条件がある
この記事の冒頭で挙げた例の答えが、実はこのケースでした。
その写真と同じような色合いにするには
- 本に載っているものとは別の条件が必要
だったのですね。
ですので、そのカメラの設定だけでは同じように撮れないというわけです。
その写真の場合は何が「別の条件」だったのかというと、画像編集ソフトの使用です。
そう、Photoshopなどのソフトを使って最終的にその色合いに仕上げていたのですね。
その情報は、後日たまたま手に取った別の書籍に記載されていたのですが、目にしたときは「……」となんともいえない気持ちになりました。
てっきり
- いかによいシーンをみつけるか
- カメラをいかに使いこなすか
- 画像編集ソフトを使う場合は、明るさやコントラストを調整する程度
というものかなあと思っていたので、あとづけで色合いを大胆に変える補正に、釈然としない気分になったことを覚えています。
情報がすべて公開されるわけではない
が、その写真が載っていた本が嘘をついているかといえば、そうではないんですよね。
なぜなら、その本には「使用機材」と「カメラの設定」という項目しかなかったからです。
読む側としては「これで同じように撮れるんだなあ」と思ってしまいますが、「それだけで撮っている」とは本のどこにも書いていないんですね。
まったくの初心者だった自分からすると「カメラだけでこの色合いを出していたんじゃなかったのかよ!」とだまされたような気持ちになりましたが、写真関連の本をみるときの考え方を知るきっかけにもなりました。
ただ、今でもよく思うのですが、写真の入門書で作例を載せる場合は、そのあたり(あとから画像編集ソフトで加工や補正をしているかどうか)もきちんと書いてくれると親切なのになあと思います。
次回に続きます。