前回は「【写真のトリミング】サイズと枠の問題」と題して、トリミングの謎についてお届けしました。
前回の記事では「現場ではベストだと思ったフレーミングが、家でみると甘く感じられるのはなぜ?」という点について、サイズと枠が及ぼす影響に関して書いていきました。
今回はその続きです。
「画面が締まってみえる」ということ
つづいては、「画面が締まってみえる」ことについてみていきましょう。
これは前回の記事で挙げた「枠の問題」に関連する項目でもありますが、写真は枠(そのまわりにあるもの)によって印象がずいぶんと変わります。
わかりやすい例の1つに、黒の枠や背景があります。
同じ写真でも、枠や背景を黒色にしたものは、画面が締まってみえやすい傾向があります。重厚感が加わってみえることもよくあります。
逆に枠や背景を白色にすると、画面がふわっとしたり、開放的にみえる――いわゆる広がってみえやすい傾向があります。軽快さが加わってみえることもあります。
ここで押さえておきたいのはモニターの性質で、色の出方がくっきりしているモニターを使っていると、黒色や白色から受ける印象がより強くなる傾向があります。
そう、同じ色でもモニターの性質(発色がくっきりしているかどうか)によって「締まってみえるかどうか」の感覚が変わってくるわけですね。
そう、感覚が変われば、トリミングの感覚も変わってくるというわけですね。
サムネイル
さて、今回の記事の冒頭に挙げた画像は、過去にクラウドストレージにアップロードしたときの画面のスクリーンショットです。
実際の写真はもっと広い範囲で写っているのですが、サムネイルでは一部分のみが表示されています。
こうしたサムネイルの処理はその媒体が自動で行うことがほとんどですが、こうした画像をみると驚くことがあります。
「なるほど、こういうフレーミングもありなのか」と感じることがあるのですね。
「なんだか微妙なサムネイルになっているなあ」と思うこともあるのですが、機械的であるがゆえに、大胆なカットがされていたりして、自分では気づかなかった画面の切り取り方に気づくことがあります。
また、枠や背景もその媒体によって違うので、写真から受ける印象の違いも感じることができたりします。単なるデータの保存場所としてではなく、こうしたチェックもしてみると面白いかもしれません。
まとめ
数回にわたってトリミングについての考え方をテーマについてお届けしました。
カメラのモニターでみたときと、パソコンでみたときとではトリミングの感覚が変わる――この点について考えてきました。
現在は、写真をプリントするよりもモニターでみることをメインにしている方も多いかと思います。
その際には、掲載する媒体の枠や背景にも注意を払ってみると、よりイメージした雰囲気に近づけることができるかと思います。興味のある方はぜひとも。