写真は被写体や構図だけでなく、「色」も大きな要素です。特に「色同士の関係」を知っておくと、様々な場面で役に立ちます。
今回は、色同士の関係を知るのに便利な「色相環(しきそうかん)」について解説します。
色相環とは
「色相環(しきそうかん)」とは、色相を環(わ)のように並べたもののことをいいます。
色相環には『色がもっと細かく分けられているもの』など、様々なデザインのものがありますが、色の並び方のルールはどれも同じです。
向かい合っている色が「補色」
色相環で向かい合っている色のことを「補色」といいます。上の図で矢印のついたところをみてみましょう。
「赤紫」と「緑」が向かい合っていますね。つまり、「赤紫」と「緑」は補色の関係です。
表現を変えると
- 「赤紫」の補色は「緑」
- 「緑」の補色は「赤紫」
- 「赤紫」と「緑」は補色になる組み合わせ
ともいえます。
補色の関係だとどんな効果がある?
赤紫と緑のように「補色の関係にある色」は、お互いをひきたてあう(目立たせる)効果があります。そのため、2つの色が近い位置にあるほど、コントラストがはっきりとした印象になります。
写真でいえば、「緑」の背景に「赤紫」の花があれば、どちらの色も目立ってコントラストがはっきりしてみえるわけですね。
ちなみにこの性質は、完全に補色の関係でなくてもOKで、「補色になる組み合わせ」と近い色であれば成り立ちます。
色をなじませるには
写真の色をなじませたいときや、統一感を出したいときも色相環を参考にすると便利です。
色相環で近い位置にある色は、なじみやすい性質があります。たとえば「橙(オレンジ)」にみえる夕焼けを撮るのであれば、「色相環で近い位置にある色」ほどよくなじみます。
上の図でいえば、「赤」と「黄」がよくなじむというわけですね。そして「橙(オレンジ)」から距離が離れていくほど、なじみにくくなります。
なじむ色の範囲
さて、色相環で「どのぐらいの距離の色までならなじむか」という点ですが、「どこまで許容できるか」という感覚的なものもありますが、半円に近い範囲までなら、おおよそなじんでみえます。
まとめ
今回は、色同士の関係を知るのに便利な「色相環(しきそうかん)」について解説しました。補色の関係は、よく使う色だけでもいいので知っておくと便利ですよ。よかったら参考にしてみてくださいね。