前回の記事では【「もしかしたら違うのかもしれない」という視点を持つ】と題して、決めつけと視点をプラスすることについてお届けしました。
今回はその続きです。
感性をにぶらせない
感性をにぶらせないというと、「新しいものに触れる」「新しい考え方を取り入れる」といったことがまず思い浮かぶ方も多いでしょう。私もこの方法はとてもよいように思います。
今回はもう少し深いところまで考えてみましょう。
なぜ新しいものに触れる、取り入れることがよいのでしょう。
わかりやすいところでは、その時代の時流を知る、あるいは時流に乗ることができるというメリットがありますね。
ですが、最も大きいのは、これらの行動をすることによって、結果的に
- 自分の感覚や感性が凝り固まらないようにしている
点かと思います。
つまり、たとえどれだけ経験を積んでいたとしても、そこで感性をストップさせるのではなく、学び続けているわけですね。
自分にとって新しいものに触れることで、それを実現しようとしているわけです。
面白いもので、このように考えると、感性をにぶらせないための方法は、「最新のトレンドに触れる、あるいは学ぶ」だけではないということがみえてきます。
そう、「自分にとって新しいものであればOK」なんですね。
たとえ、世間では忘れ去られたようなものでも、自分にとって未知のものであれば、それは「自分にとって新しいものに触れる、新しいものを学ぶ」機会になり得ます。
もちろん今回の連載で触れてきたような解釈の方法もそれに当てはまります。特に、今までの解釈方法に「新しい視点をプラスする」方法は大きなポイントです。
感性が凝り固まっているときに出やすい「物事をすぐに決めつけてしまう」ことを避けることができる方法かと思います。
写真の撮り方を考えてみる
ではこの連載でお届けしてきた「考え方」を、写真の撮り方に適用する方法を考えてみましょう。
写真を撮ることに慣れてくると、次第に自分の中に「型」のようなものが生まれてきます。
たとえば、何度も撮ったことのある被写体であれば、「こう撮ればいい雰囲気になる」という自分なりの方法(型)ができてきます。
そうした型ができるのはよいことなのですが、なぜその型に至ったのかを考えてみましょう。
たとえば
- いろいろ試した上で、その被写体が最もいい感じにみえる撮り方だと思ったから
と考えた人がいたとします。
それで今の型ができあがったというわけですね。
すると、ここで2つの選択肢がでてきます。
- この型はやっとたどりついた「ゴール」だと考える
- この型は「あくまで現時点でのもの」であり、これからもっと進化できるかもしれない
この2つ、どちらが正解ということはありません。
次回に続きます。