写真を撮る際に、被写体と背景のバランスは悩みどころです。
そこで今回は、「点景(てんけい)」という考え方についてお届けします。点景を知っておくと、いろいろな場面で役立ちますので、ぜひ活用してみてください。
点景(添景)とは
風景などの「広い背景」に、人・生き物・物などのワンポイントを入れると、画面全体がグッと引き締まってみえたり、画面全体が面白い雰囲気になったりすることがあります。
上の写真でいえば、鳥がいなければ特にこれといったポイントのない「広い草むら」ですが、ワンポイントで鳥が入っていることによって、画面全体に面白みが出ています。
こうしたワンポイントのことを「点景(てんけい)」と呼びます。同じ読み方で「添景」と書く場合もあります。
点景の考え方を知っておくと、いろいろな場面で役立ちます。
風景に物語が生まれます
写真は「余計なもの」を入れないほうが、画面がきれいにまとまり、わかりやすいものになります。・・・…が、シーンによっては、その方法で撮ると「何か物足りない画面」になってしまうことがあります。
そうした場面で便利なのが「点景」の考え方です。画面の中に人や物などのワンポイントを入れるだけで、全体の雰囲気がガラッと変わることがあります。
入れるものが人・生き物・物であれば、そこに物語が生まれます。全体が生き生きとしたり、「想像の余地」がある面白い写真になったりと、いろいろな効果が期待できます。
シンプルなシーンにアクセントがつきます
点景は、シンプルなシーンにアクセントをつける効果も期待できます。
空間が広いシーンでも、点景が入るだけで空間の印象が大きく変わります。点景のユニークなのは、存在感があるところ。サブの被写体でありながら、画面全体を引き立てる司令塔のような存在でもあります。
「点」であるべきか
「点景」は、漢字からして「点のようなサイズ」「小さく入れるもの」という印象を受けます。そのため、つい「豆粒ぐらいのサイズで入れなくては」と考えてしまいますが、サイズにこだわる必要はありません。
大切なのは、風景などの「広い背景」にワンポイントを入れると
- 画面全体が引き締まって見える
- 画面全体が面白みのある雰囲気になる
- シンプルなシーンにアクセントをつける
といった「効果」や「考え方」です。
それを抑えていれば、点の大小は特に問題ではありません。
まとめ
点景の考え方を知っておくと、いろいろな場面で役立ちます。特に「画面が何か物足りない」と感じた時は、点景の考え方を生かすチャンスです。
つい「『点』というぐらいだから、すごく小さく入れないといけない」という気がしてしまう方は、「ワンポイント」と置き換えると、サイズをあまり気にせずに撮れるようになります。よかったら参考にしてみてくださいね。