前回の記事では「状況をそろえたつもりでも」と題して、「自分では状況をそろえたつもりだけれど、実際は不完全」というケースについてお届けしました。
今回はその続きです。
できるだけ同じ状況にする
前回の記事ではレフ板の代用品選びでの失敗について書きました。
レフ板につづいて、私が色合いで学ぶことが多かったのが「照明」です。
写真を撮り始めたばかりのころ、本に「室内で撮るときは照明があると便利」と載っていたので、これまた手元にあった適当な照明を使って撮影にチャレンジしたことがあります。
「照明ならなんでも同じだろう」と勝手に思い、本に書いてあるような照明器具は無視して、室内用のクリップライトを使って撮ったのですが、結果は散々。
色味・光のあたる範囲・光の強さなど、あらゆるところがメチャクチャで、なんともいえないほど悲惨な仕上がりの写真になりました。
なぜそうなったのかは、もうお分かりですね。
そう、同じように撮りたいのなら
- できるだけ同じような状況にするのが鉄則
なのに、「照明を使うこと」以外は、ことごとく自分流だったためです。
仮にクリップライトしか使えない状況であったとしても、少なくとも電球の色ぐらいは注意を払っておきたいところでしたが、そこにも全く気がまわっていませんでした。
機材や道具の考え方
さて、ここまで
- 同じように撮りたいのなら、できるだけ同じような状況にするのが鉄則
といったことを書いてきました。
が、作例によっては近い状況をつくるのが難しい場合があります。
たとえば、さきほど例に挙げた照明の場合。
私がみたその写真で使われていた照明器具は、「照明についての知識ゼロ」の自分にとっては非常に高価だと感じるものでした。
「いい器具なのは間違いないと思うけれど、そういう写真ばかり取るわけじゃないし、そこまでのお金はちょっと出せないなあ……」といった感覚ですね。
機材本体ではなく「性質をそろえる」という考え方
その場合は「その機材はどんな性質を持っているのか」「その機材は何がいいのか」を考えてみると、役に立ちそうな対策が浮かぶ場合があります。
たとえば先ほど例に挙げた私の例でしたら、手元にあるクリップライトとその照明器具を比較すると、違いがみえてきました。
何から何まで違うといえばそれまでですが、わかりやすいところでは電球の色。
私のクリップライトには「電球色」と呼ばれるタイプの電球が入っていました。このタイプの電球は、ややオレンジがかった光の色が特長です。
この色味は、日常生活で使用しているとき(肉眼でみているとき)は、それほど気にならないこともありますが、写真に撮るとかなり強い色味で写ることがあります。
そう、この電球を「作例の照明器具で使われている電球」と同じタイプの色合いのものに変えるというのが、1つめのアイデアです。
これはあくまで一例ですが、同じような機材をそろえるのが難しい場合は、このように「性質」を近づけていくという方法が有用です。
「同じように撮りたいのなら、できるだけ同じような状況にする」鉄則の「できるだけ」にあたる部分ですね。
まとめ
数回にわたって「同じような色合いにならない」をテーマにお届けしました。
- 同じように撮りたいのなら、できるだけ同じような状況にする
- 本に載っている情報は「限られた情報かもしれない」という考えも持っておく
- 機材本体を揃えられないときは、性質を近づける方法を考える
写真関連の本は、その写真ができあがるまでの全工程を載せているものは限られているかと思います。そのため、「推測する」という部分が必要になることが多くあります。
こうしたことに頭を悩ませるのも写真のたのしみかと思います。よかったら参考にしてみてください。