写真を撮っていると、黄色いものを撮る機会が多々あります。
黄色は明るく、元気さを感じさせる色ですが、様々な特長があります。今回は写真における「黄色」の性質や効果をみていきます。
前に出てみえる色
黄色は華やかさと鮮やかさを持った色で、画面につかうととても映えます。
黄色は前に出てみえる、こちらに向かってくるようにみえる性質があります。こうした性質のある色を「進出色」といいます。
ほかの色との組み合わせ
黄色はほかの色より前に出てみえるため、主役に使うとインパクトが出ます。
こちらは黄色系のクッキーを主役にした写真です。
明るい白と水色をバックにしていますが、黄色に「前に出てみえる性質」があるため、こちらに迫ってくるような印象が出ています。
こちらは「キセキレイ」という鳥です。主役として撮っていますが、体に黄色の部分が多いため、ずいぶんとこちらに迫ってくるようにみえます。
主役の特に目立たせたい部分に黄色が使われていると、とてもよく目立ちます。
この写真は顔に黄色が使われていることにより、目に入りやすいだけでなく、立体感があるようにみえます。
このように、黄色は前にでてみえる、浮き出ててみえるという特長があります。
主張の強い色
黄色は、ほかの色と比べて「主張が強い色」でもあります。画面内に黄色があると、主役か脇役かに関わらずよく目立つので注意が必要です。
たとえば、こちらの写真をみてみましょう。
カラフルなバルブを撮ったところ、背景に黄色い花がたくさん入ってしまいました。
そのため、主役にしたかったバルブと同じぐらいに、数々の黄色が自己主張をし、なんともおさまりの悪い画になってしまいました。
これは黄色のもつ「主張の強さ」が原因です。
つづいて、こちらの写真もみてみましょう。
黄色い花畑をバックにあひるのおもちゃを撮ったものですが、これも妙なおさまりの悪さがあります。
これにはいくつかの原因がありますが、まずは黄色が持つ性質からみていきましょう。
先ほど紹介したように、黄色には「前に出てみえる」「主張が強い」色という性質があります。
そのため、この写真では黄色が背景になることにより「背景なのに前に出てみえる」「背景なのに主張が強い」ということが起こっています。
また、主役にしたかったあひるのおもちゃは「青色」をしています。青には「一歩さがってみえる」「主張をあまりしない」性質があります。

そう、この写真では主役と背景の色の役割が逆になっているんですね。それによって、ピントは主役にあわせているけれど、色的には背景が主役というちぐはぐな状態になっています。
このように黄色は「主張が強い」性質がありますので、使いどころには注意が必要です。
なじませるには
主役を黄色にする際に、黄色の主張をほどほどにしたい場合もあります。
その時は、まわりの色も黄色系あるいは、黄色のトーンが入った色にするとなじみやすくなります。
こちらの写真は主役は黄色ですが、まわりに黄緑色の部分が多くあります。
背景に黄色のトーンが入っていることにより、主役の黄色ばかりが目立つということを抑えています。
こちらの写真は、主役にも背景にも黄色系の色が入っています。それにより、主張のバランスがとれており、違和感なくなじんでいます。
また、こちらは黄色をくすませる(ここでは暗い場所に置く)ことにより、主役の黄色ばかりが目立つことを抑えています。
背景も「黄色がかった色」であるため、主役の主張をほどよく抑えています。
おしまいに
今回は黄色の持つ性質や特長をみてきました。
黄色は非常に明るく、活力を感じさせる色ですが、よくも悪くも画面の焦点を持っていく力のある色でもあります。
使いどころを考えながら撮ると、写真を撮るたのしみがより広がると思います。よかったら参考にしてみてくださいね。