今回は「日の丸構図についての考察」その3をお届けします。前回の記事はこちら。
日の丸構図は、被写体を画面の中心に配置した構図のことをいいます。考えながら撮ると非常に面白く、奥の深い構図法です。
ちょっとしたさじ加減で、当たりはずれの差が出るのもユニークなところ。というわけで今回は、日の丸構図を楽しむためのポイントをお届けします。
自分が動いて位置を調整する
日の丸構図は、主役を画面の中央に配置する撮り方です。狙って撮ろうと思うと、主役の位置を中心から動かせないため、意外と制約が多いことに気づきます。
位置調整をするときは自分が動く
被写体を中央に配置しようとすると、画面の中に余計な要素が入ってしまうことがよくあります。たとえば自然の中であれば、草や花や木など様々なものが画面に入ってきます。
日の丸構図には「画面の中心(主役)に視線が集まり、際立ってみえる」という効果があります。
が、まわりが煩雑だったり、主役以上に目立つものがあったりすると、せっかくの効果が打ち消されてしまいます。
日の丸構図のまま撮るのであればピント位置を変えることはできません。だったら、自分が動いて位置を変えてみましょう。ほんの少し動くだけでも、背景のようすがガラリと変わります。
そのようにして、できるだけ主役が際立つような状況に持っていくのがポイントです。
近づく・離れる
日の丸構図は「背景をどれだけ入れるか」もポイントです。被写体を大きく撮るほど背景の入る範囲が狭くなり、被写体を小さく撮るほど背景の入る範囲が広くなります。
もちろんその度合いによって、見た目の印象が変わっていきます。
迷ったときは、被写体に近づいたり、離れたりして撮ってみましょう。1枚でも面白い雰囲気になっていれば成功です。
日の丸構図は「写真に動きが出づらく、面白味のない写真になりやすい」というデメリットがあります。そう、面白い雰囲気になっていれば、そのデメリットを解消したということです。
向きをつけてみる
日の丸構図は「見る人の視線が中央に集中し、そこから動きづらい」「画面全体に動きが出づらい」という特徴があります。「単調になりやすい」といわれるのも、そこからきています。
ならば、主役にちょっとそっぽを向いてもらいましょう。
それだけで、主役が真ん中にいるのに、なんとなく真ん中っぽくない雰囲気になります。日の丸構図なのに、微妙に「らしくなさ」がでます。
まとめ
今回は「日の丸構図についての考察」その3と題して、日の丸構図で撮るときのアイデアをお届けしました。
日の丸構図の効果やメリット・デメリットを知った上で撮ると、いろいろとたのしめます。
被写体を中央に配置することにより様々な制約が出てきますが、その制約が面白さのポイント。様々な縛りの中、どのようにして当たりを探していくかを考えていくと、非常に遊びがいがありますよ。よかったら参考にしてみてください。