今回は「日の丸構図についての考察」その2です。その1はこちら。
日の丸構図とは、被写体を画面の真ん中にど~んと配置した構図です。中央構図、中央一点構図とも呼ばれます。
前回の記事では、よく「卒業すべきもの」「なるべく避けるもの」と言われる日の丸構図について、「卒業するのは、何も考えずに撮ること」であって、日の丸構図自体は有用な構図法というお話をしました。
そこで今回は、日の丸構図を撮る際に「こう考えて撮ると、日の丸構図って面白いよ」というポイントをお届けします。
日の丸構図の効果のおさらい
まずは日の丸構図にはどんな効果があるかおさらいしてみましょう。
日の丸構図には、主に次のような効果があります。
- 被写体が真ん中にあるので、見る人の視線が中央に集中する
- 被写体が真ん中にあるので、画面に動きが出にくい
これらの効果がうまく働くと、見せたいところを視線を集めることができ、主役が際立ったよい写真になります。
が、効果が裏目に出ると、見どころのない写真になってしまったり、動きのない単調な写真になってしまったりします。
ほかの構図法に比べて、当たりはずれの差が大きいのが日の丸構図の特長です。
そのため、「どう撮ると当たりになるのか」を考えながら撮るのが面白い構図法でもあります。
「主役が際立つ」ということ
主役に力がある
日の丸構図は、被写体を画面の中心にど~んと配置する構図です。
見る人の視線は中心に集まり、必然的に主役が際立つ構図になります。
ここで考えるべきポイントは
- 見る人の目は中心(主役)に集まる
- 日の丸構図は、視線が中心から動きにくい
という点です。
そう、主役に力があるかどうかが重要な点なんですね。主役に力があればみていて面白い写真になりますし、主役がつまらなければ「う~ん……」という写真になってしまう。
すこし乱暴な言い方をすれば、日の丸構図は「見どころは主役だけ」という構図でもあります。
つまり、主役の良し悪しで印象が大きく変わってしまうわけですね。「いかに力のある主役を選ぶか」、この点が非常に重要です。
効果を邪魔しない
日の丸構図は、中心に配置した「主役が際立つ」構図です。日の丸構図で撮るときは、この効果を邪魔しないようにします。
具体的には
- ピントはきちんと中心(主役)に合っているか
- 画面内に主役より目立つ要素がないか
といった点に注意して撮るようにします。
特に気をつけたいのは、2番目に挙げた点です。画面内に主役より目立つ要素があると、日の丸構図の強みが打ち消されてしまいます。
「視線が集まる位置にある主役が目立たない」「視線がいきづらい位置にあるものが目立つ」といった、なんともアンバランスな写真になってしまいます。
まとめ
今回は「日の丸構図についての考察」その2をお届けしました。
よく「上達するためには卒業すべきもの」と言われる日の丸構図ですが、きちんと考えながら撮ってみると、とても奥深く面白い手法であることがわかります。興味のある方はぜひやってみてください。