デジタル一眼は、様々な設定で写真を撮ることができます。
そのため、「今日はモノクロで撮ってみよう」「今日はビビッドな色で撮ってみよう」など、いろいろなチャレンジがしやすくなっています。
今回はそうしたチャレンジをする際のお話です。
ふだんと同じ方法でも撮っておこう
撮影する際に、その日のテーマや方針を決めて撮るのはたのしいものです。
たとえば「今日はいつもと違う色合いで撮ってみよう」「今日はカメラを傾けて撮ってみよう」といったチャレンジをしてみると、普段とは違った面白さを味わうことができます。
が、撮り方や設定を変えて撮るときは注意したい点があります。
それは、「ふだんと同じ方法でも撮っておく」ということです。
なぜ「ふだんと同じ方法でも撮っておく」のか
では、なぜ「ふだんと同じ方法でも撮っておく」とよいのでしょう。
それには主に次のような理由があります
ふだんの撮り方との比較ができる
まず1つめの理由は「ふだんの撮り方との比較ができる」という点です。
これは撮っている時もそうですが、特に撮った写真をあとから写真を確認する際に大きな効果があります。
たとえば、モノクロでの撮影にチャレンジした場合を考えてみましょう。このときに、ふだんと同じようにカラーの写真も撮っておけば、あとから両者の比較ができます。
- ここはモノクロならではの味があるなあ
- ここはカラーのほうが魅力的だなあ
……などなど、自分の写真をみながら学べるわけですね。
こうしたことを繰り返していくと、自分の中に「撮り方のノウハウ」が蓄積されていきます。
「このシーンはモノクロで撮るとよさそう」「このシーンはカラーならではの強みを生かして」など、撮影する際に選択肢・アイデアが増えてくるわけですね。
「行き過ぎ」を防ぐ
「ふだんと同じ方法でも撮っておく」と、「写真が行き過ぎてしまう」のを防ぐ効果もあります。
たとえば派手な色で撮ることにチャレンジする場合。このときに気をつけたいのは、人間の性質です。
人間は「インパクトの強いほうに意識が引っ張られる」傾向があります。
そのため、派手な色で撮っていると、「もっと派手に、もっと鮮やかに」という思いが強くなっていき、色合いがその方向にどんどんとエスカレートしていってしまうことがあります。
すると現実からかけ離れた色彩になってしまったり、階調を犠牲にした写真になってしまったりします。
こうしたときに「ふだんと同じ方法でも撮っておく」ようにすると、冷静になることができます。
- あれ、こんなに色を強くしていたのか
- これはやりすぎているな……
など、ふだんとの違いを確認できるわけですね。
この方法は現場でも、あとから写真を見直す際にも有用です。
特に「色を鮮やかにする(あるいは派手にする)」「コントラストを強くする」などの、「インパクトを強くする」系の撮り方をするときは、エスカレートしやすい傾向があります。
ふだんの撮り方との比較が非常に大切なポイントになります。
「いつもの撮り方のほうがよかった」と思っても安心
3つめの理由は、「いつもの撮り方のほうがよかった」と思ったときの保険になるという点です。
たとえば「傾けて撮る」ことをテーマにして撮るときです。
傾けて撮った写真を見返していると、「あれ、これは普通に撮ったほうがよかったのでは……」と感じるシーンがあったりします。
そうした場合も、普通に撮った写真があれば、比較したり、好きな方を選んだりすることができます。
……が、傾けて撮った写真しかない場合は、それができないんですね。
仮に画像編集ソフトを使って傾きを修正したとしても、画面に入る範囲が変わってしまいます。シーンによっては印象が大きく変わってしまうこともあります。
ですので「保険をかけておく」といった意味でも「いつもの撮り方でも撮っておく」というのは有用です。
まとめ
今回は「いつもと違う撮り方をするときは」と題して、押さえておきたいポイントについてお届けしました。「ふだんと同じ方法でも撮っておく」のはとても有用ですよ。
よかったら参考にしてみてください。