秋は、秋ならではのモチーフや色合いが存分にたのしめる季節です。また、この季節ならではの「日差し」もポイントです。
というわけで今回は「秋の色を撮る」と題して、秋の写真のたのしみかたをお届けします。
「秋の色」はここがポイント
日差しのやわらかさ
夏に比べて、秋は日差しがずいぶんとやわらかくなります。
これは写真を撮る際に生かしたいポイントで、屋外では夏よりもコントラストが低く、様々なものがやわらかくみえる傾向があります。
夏は日差しが強いため、屋外では明るいところと暗いところの差がはっきりしていますが、秋はその差が小さくなります。
また、色も同様です。夏は色が強く目に映り、色同士の差も大きくみえますが、秋はそれらが目にやわらかく映る傾向があります。
こちらは栗の写真。秋は夏ほど日差しが強くないため、コントラストが低くなり、全体がやわらかくみえます。
晴天下での写真も、夏に比べると色に落ち着きが出ます。「夏だったらギラギラとした色になってしまう」「夏だったら色が強く出すぎてしまう」ようなシーンでも、秋は落ち着いた色でまとまりやすくなります。
写真で「秋の色」や「秋らしさ」を出したい時は、こうした点を意識すると、何気ないものを撮っても季節の味が出やすくなります。
こちらは11月のはじめごろに撮った写真です。画面に「秋らしい色」がさほど入っていなくても、「ちょっと肌寒い季節になってきたかな?」という雰囲気になっていれば、「その季節らしい写真」といえます。
逆に、ハイコントラスト、あるいは色がギラギラとした感じで仕上げると、秋のモチーフを使っていても「季節感があるようなないような写真」にすることができます。
ちなみに、冬になると日差しがさらに弱くなり、コントラストがより低くなります。
このように、季節のモチーフだけでなく、日差しによってできるコントラストを意識してみると、写真を撮るのがよりたのしくなります。
季節の色を撮る
秋は夏に比べて色がやわらかくみえます。夏だったら「派手すぎるかな?」と感じるような色も、秋はほどよいトーンで目に映ります。
また、秋は色同士の差も小さくみえるので、様々な色の組み合わせがたのしめます。
紅葉は、秋の代表的なモチーフです。それだけで「秋」を感じさせる存在感があるので、いろいろな撮り方をたのしむことができます。
目で見た雰囲気に近づくように、コントラストを低めに撮るのもアリですし、ハイコントラスト&ギラギラした色合いに仕上げて、季節感を喪失させるのもユニークな方法です。
秋は、黄色・橙色・茶色がよくなじみます。緑色も春や夏に比べて、グッと落ち着いた色になります。また、夜を感じさせる色もよく合います。
秋は落ち着いた色、静かな色もよく合います。冬のはじまりを感じるトーンもこの季節ならではです。
まったく秋を感じさせないモチーフでも、太陽の傾いてきた時間帯にに撮ると、秋ならではの雰囲気を出すことができます。
夏の夕暮れとは違って、全体をほんのりと温かみのある色で染めてくれます。
おしまいに
今回は「秋の色を撮る」と題して、秋の写真のたのしみかたをお届けしました。このようなアプローチで撮れば、名所にこだわらなくても秋の写真をたのしむことができます。よかったら参考にしてみてくださいね。