万葉集に詠まれるほど古くから親しまれている「モズ」。
実際に姿を見たことがなくても「モズのはやにえ」「モズの高鳴き」「百舌勘定」などの言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
はれときどきカメラが撮影した写真とともにお届けします。
モズはどんな行動をする?
長い尾を回すように振ります
モズを最も見つけやすいのは、高いところにとまって鳴いている時です。
木の上や電線にとまって長い尾を回すように振る姿をよく見かけます。
尾の動きが独特なので、見慣れるとシルエットだけでもモズだとわかるようになりますよ。
全長は20cmほど。スズメよりやや大きく、くちばしの先端はかぎ形に曲がっています。
オスは過眼線(くちばしの付け根から眼の前後を通る線)が黒いのが特徴です。
メスはこんな姿
こちらがモズのメスです。オスに比べて、過眼線の色が薄くなっています。お腹にうろこ状の模様があるのもメスの特徴です。
モズはいつ見られる?
一年中みられます
モズは「留鳥」に分類される鳥です。
日本では一年中みることができますが、北海道などの寒地では冬になると暖かいところに移動します。
モズは何を食べる?
昆虫やミミズ、カエルなどを食べます
写真は、オスが虫をつかまえて木に戻ってきたところです。
モズは昆虫のほかに両生類、小型の爬虫類や哺乳類などを食べます。ときには自分より大きなヘビや鳥を襲うこともあるそうです。
モズのはやにえ
モズは捕まえた獲物を木の枝や有刺鉄線などに刺しておく習性があり、これを「モズのはやにえ」といいます。
はやにえは餌が少なくなる冬に備えて貯食しているという説や、縄張り宣言だという説がありますが、はっきりしたことはわかっていません。
モズの鳴き声
モズは「キチキチ」「ジュンジュン」などと鳴きます。
秋には高いところにとまって「キィーキィー、キチキチキチ」と繰り返し鳴き、縄張り宣言をします。
これは「モズの高鳴き」とよばれ、秋の風物詩のひとつです。
秋を告げるモズの高鳴き
写真は、メスが民家のアンテナにとまって高鳴きしているようすです。
なぜ「百舌」と書くの?
モズは漢字で百舌と書きます。
モズはほかの鳥の鳴き声をまねできることから、「百の舌を持つ」という意味で「百舌」という漢字があてられました。
ウグイスやメジロ、コジュケイなど様々な鳥の鳴きまねができるそうです。
まとめ
今回は、かわいい顔をしているのに肉食系のモズでした。尾をぐるぐる回すように振る姿がかわいらしい鳥ですよ。
\ 今回紹介した鳥 /
モズ(百舌 鵙 Lanius bucephalus)
スズメ目モズ科 全長20cm
\ まだまだあります /