今回は「被写体を見おろして撮ってみよう」と題して、「見おろして撮る効果」についてお届けします。
被写体や構図、撮り方によって、いろいろな効果を出すことができます。
見おろして撮る
小さい印象
被写体を見おろすようにして撮ると「人間よりも小さいもの」「人間よりも背が低いもの」という雰囲気を出しやすくなります。
代表的なところでは、地面にいる小さな生き物です。見おろすように撮ると、小さい生き物らしく仕上がります。
また、見おろす写真では、角度がついて、被写体の面積が小さくなるほど「サイズが小さく見えやすくなる」傾向にあります。
ちなみに、見たままの印象で撮りたい時は、35mm判換算で「焦点距離50mm近辺の画角」で撮るのがおすすめです。
人間の目でみたのに近い印象で撮ることができます。
比較対象物を入れる
被写体を見おろして撮る時は、大きさをイメージできるもの(比較対象物)を入れると、被写体の大きさをイメージしやすくなります。
こちらの写真では、手に栗を乗せています。人間の手が入ることにより、栗の大きさがイメージしやすくなっています。
余白を多めにとる
被写体が小さい場合は、余白を多めにとると「小ささ」を演出しやすくなります。
余白を多くとると、必然的に画面内で「被写体が占める部分」が少なくなります。それによって、被写体が相対的に「小さく見える」ようになります。
こうした方法を使うと、実物よりも小さく見えるようにすることもできます。
前の項目で挙げた「栗」の写真のように、比較対象物(サイズをイメージできるもの)を入れると、被写体のサイズがわかりやすくなります。
サイズ感の消失
見おろして撮る時に、「実際のサイズ感を消失させる」という方法もあります。
たとえばこちらの写真は、葉っぱを撮ったものですが、実際のサイズが想像しにくいかと思います。
「いちばん大きなものでも、手の平にのるぐらい」といわれれば、そんな気がしますし、もっと大きく、あるいはもっと小さくもみえたりします。
これは、大きさをイメージさせるもの(比較対象物)がないのが1つの原因で、比べるものがないために、実際のサイズがわかりにくくなっています。
また、「葉っぱの形や種類」も原因の1つで、小さい葉っぱを大きく撮ってもこんな感じにみえそうですし、大きい葉っぱを小さく撮っても同じようにみえそうな気がします。
こちらの写真は「栗」を撮ったものですが、ずいぶんと立派な栗に見えます。
これは、栗を大きく写しているのが1つの原因で、画面全体に対して「栗の面積が大きめ」なため、相対的に大きく見えます。
また、まわりにある葉っぱも1つのポイントで、「葉っぱ自体が大きい」ようにもみえますし、「小さい葉っぱを大きく写した」ようにもみえます。
そのため、「実際に大きい栗なのか、そうではないのか」という疑問が出てきます。
これが「サイズ感の消失」で、非日常感を出すときによく使われる方法です。クローズアップ撮影でもよく見られる方法ですね。
おしまいに
同じ「見おろして撮る」のでも、構図や被写体、撮り方によって、いろいろな効果があります。
よかったら参考にしてみてくださいね。