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色合いと現実との関係 その1

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先日、たまたまテレビをみる機会がありました。私はふだんテレビをみることがないので、実に何年かぶりといったところでしょうか。

そのときにいくつかのCMを目にしたのですが、露出補正が高め&カラフルでポップな色合いのものが増えたように思います。

それを特に強く感じたのは、「家族でみんなで仲良く~」的な雰囲気を前面に出したテイストの車や食べ物のCM。

画面全体が明るく、暗い色や重い色はナシ。画面がキレイな色ばかりで構成されているので、ちょっぴりオシャレでステキな世界のようにもみえます。

……が、こうしたものをみていると、こう感じる人も少なからずいるのではないでしょうか。

  • なんだかキレイすぎてウソくさいよなあ。

というわけで今回は、色合いと現実との関係について考えていきます。

色合いと現実との関係

たとえばハイキー

デジタル一眼が一般層に普及し始めたころ、写真をハイキーで撮ることがずいぶんと流行った時期がありました。

細かい調整はいろいろとありますが、かんたんにいえば、現実の色よりも明るめに撮ると「色がキレイにオシャレにみえるよ!」「かわいくみえるよ!」といったものです。

この方法の面白いところは、現実ではキレイにはみえないような色でも、明るくオシャレなテイストの色にガラッと変身してしまうこと。

しかも、画面内に「キレイな色」という強みがあるので、構図がアバウトでも画面が成り立ってしまうというのもユニークなところでした。

細かい調整を省くのであれば、デジタル一眼の設定をいじるだけでも撮れるので、非常に手軽でたのしい撮影方法でした。

現実の色から離すということ

ハイキー写真は、基本的に「現実の色よりも明るくする」ことがポイントになります。

そのため、デジタル一眼で撮るときは、ふつうの明るさで撮影するときよりも露出補正を高めにします。つまり、現実の明るさから離すわけですね。

それにより、色も現実から離れます。現実よりも色が明るくなるだけでなく、画面内のくすんだ色やカゲも飛び、全体にフラットな印象に近づきます。

だから、画面が軽快にみえるようになるのですね。

――が、この撮り方、非常に面白いのですが問題もあります。

それは、やればやるほど「現実から離れていく」という点です。今回の記事で使っている写真もその通りで、実物の観覧車はこんなキレイな色ではありません。

また、こんなにおもちゃっぽい質感ではなく、本物はもっと重量感のある質感をしています。

――そう、実はこの撮り方、モノの質感を消してしまう部分があるのですね。

次回に続きます。

写真の本ではありませんが、光と影、色を知るのによい本です。

写真にも生かせる知識や考え方がいろいろと学べます。