PENTAXのデジタル一眼レフには、ローパスセレクターという機能が搭載されているものがあります。1台のカメラで、ローパスフィルター効果の有無を切り替えることのできる機能です。
今回はローパスセレクターについてみていきましょう。
ローパスセレクターとは
デジタル一眼レフは、これまで「ローパスフィルターあり」か「ローパスフィルターなし(ローパスフィルターレス)」のどちらかしかありませんでした。
ローパスフィルターはその有無によって、それぞれメリット・デメリットがあるので、どちらが一概に優れているとは言えない部分がありました。
少し古いところでは、「PENTAX K-5II」が、ローパスフィルターありとなしのモデルを出したこともあります。
そこで、ペンタックスが開発したのが「ローパスセレクター」です。
ローパスフィルターの有無が切り替えられるように
ペンタックスは、撮像素子を細かく駆動させることによって、偽色やモアレを軽減することを可能にしました。そう、ローパスフィルターがあるのと同じ効果です。
その技術が動画で公開されています。
少しわかりにくいかもしれませんが、センサーを振動させることで、光学ローパスフィルターがあるのと同じような効果が出せます、ということを表現しています。
この機能を開発したことにより、1台のカメラで「ローパスフィルターありの効果」と「ローパスフィルターなしの効果」が使えるようになりました。
これが「ローパスセレクター」です。
しくみとしては、センサーを振動させるかさせないかで、擬似的にローパスフィルターの有無を選べるというものです。
手ぶれ補正
ローパスセレクターは「ボディ内手ぶれ補正」の機能を使って構成されています。
ローパスセレクターの効果は
- 解像感とモアレとのバランスを重視した[TYPE1]
- モアレ軽減を重視した[TYPE2]
- 解像感を重視する[OFF]
の3つから選ぶことができます。あり・なしだけでなく、中間の効かせ方もできる、というわけですね。
ちなみに、ローパスフィルターありと同等の効果を出すためには、1/1000秒より低速のシャッター速度での撮影が推奨されています。
まとめ
最近のデジタル一眼は、ローパスフィルターレスのものが増えてきましたが、こうした選択式のものもある、ということですね。しかし、こうして見ると、カメラというのはアイデアと技術のかたまりということがわかりますね。
はれときどきカメラ編集部 RYOTA
はれときどきカメラの中の人その2。よく単焦点レンズをつけて街歩きをしています。好きなものは洋画とフエキくん。最近はツバメノートを愛用しています。
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