デジタル一眼で写真を撮ったあとは、できるだけ早い段階で、写真データをパソコンやハードディスクなどに入れます。
それから必要に応じて、補正や加工などして1枚の写真として仕上げるわけですが、このときに注意したい点があります。
それは、「元データを直接編集しない」という点です。
元データを直接編集するのはNG
写真データを補正・加工する際は、必ず元データを残しておくようにします。
元データとは、作業前のデータのことです。メモリーカードから、パソコンやハードディスクに移した(コピーした)ままのデータのことです。
写真データの補正や加工をするときは、このデータをコピーしたものを使います。
同じパソコンやハードディスクなどの中に、元が同じデータが2つ存在する状態になるわけですね。
補正や加工をする際には、編集用のデータを使います。
★データをコピーする際は、「コピーの性質」について知っておくと便利です。
元データを残しておくのはなぜ?
ではここで、なぜ「元データを残しておく必要があるのか」を考えてみましょう。
それにはいくつかの理由があります。
いつでも最初に戻ることができる
元データを残しておく理由の1つめは、「いつでも最初に戻ることができる」という点です。
たとえば、元データを直接編集して、上書き保存したとします。これをすると、元データが編集後のものに書き換えられてしまいます。
つまり、作業前のデータがなくなってしまうわけですね。
こうなると大変です。
あとから「作業前のほうがよかったかも……」とか「もう一度、補正し直したい」などと思っても、元データ自体をいじっているので、戻れなくなってしまうんですね。
元データを残しておけば、こうしたリスクを減らすことができます。
「補正や加工のやりすぎ」を防ぐ
元データを残しておく理由の2つめは、「補正や加工のやりすぎを防ぐ」という点です。
写真データを補正・加工していると、作業量が増えるほど感覚がマヒしてきます。
「このほうがいいかも」「もっと攻めてもいいかも」などと作業をしているうちに、よかれと思ってやったことが、後日あらためて見てみると、とんでもない補正や加工をしていたということがよくあります。
これは誰にでも起こり得ることで、夢中で作業をしている時は全く気づかなかったりします。
そう、インターバルを置いて、冷静になってもう一度見直す時間が必要なんですね。
その際に、便利なのが「元データ」です。
元データがあれば、作業を巻き戻すことができます。
また、編集後のデータを元データと比較すると、やりすぎた部分・手を加え過ぎた部分がみえてきます。
成長を生かすことができる
写真データの編集にもスキルがあります。
補正や加工といった作業を続けていくと、自分なりのコツやテクニックが身についていきます。
そうなったときに、以前に補正・加工をした写真を見直してみると「今ならこうするのになあ」という点がいくつもみつかります。
そう、元データがあれば、今の技術であらためて写真を仕上げることができるんですね。作品をアップデートできるわけです。
これはデジタルならではの利点です。
今回の記事のポイント
今回の記事では「元データを残しておくことの重要性」「補正や加工をするときは、編集用のデータを使う」について解説しました。
「前のバージョンを残しておく」というのは、写真だけでなくデジタル関係の作業ではよく使われる考え方です。
デジタルのメリットを生かして、活用していきましょう。よかったら参考にしてみてください。