前回の記事では「いいな」と思う写真があったら、どうしたら同じように撮れるのかを考えてみることの重要性について書きました。

今回はその続きです。
考える際の「大敵」
いいなと思った写真があったら、どうやったら同じように撮れるのかを考えてみる――前回の記事では、その際に「自分の写真と何が違うのか」を考えてみることをおすすめしました。
たとえば
- カメラの性能なのか
- シチュエーションなのか
- 撮影技術なのか
- 画像編集ソフトの使い方なのか
といった点ですね。
こうした点に着目して考えてみるのは、とてもよい勉強になります。
……が、この際に気をつけたいのは、「安直な結論を出して思考停止をしないこと」です。
これをしてしまうと、考えるのによい機会を失うことになってしまいます。
「安直な結論を出して思考停止する」ケースとしては、たとえば次のようなものがあります。
高い機材を使っているから
安直な結論につながりやすいものに1つに、「相手は高い機材を使っているから」というものがあります。
「この写真は、自分よりも高い機材を使って撮っているから差があって当然」と考えてしまうケースですね。
カメラは機材によって、性質や性能が違うのは事実です。
しかし、「よいと思う写真」と「自分の写真」との差は、本当に機材の差だけが理由なのだろうかと考える必要があります。
残酷なようですが、こうしたケースでは、機材以外の部分でも差があることがほとんどです。シチュエーション、構図、見せ方、被写体……などなど「機材の差だけではない部分」が高確率で存在します。
そう、安直に「機材の差」を結論にしてしまうと、これらがみえなくなってしまうのですね。機材の差よりももっと大きな理由があるのに、それを見落としてしまう可能性があります。
自分とは違うから
「機材の差」を結論にするのと同じぐらいに思考停止に陥りやすいのが、「自分とは違うから」という考え方です。
たとえば
- 自分とは実力やセンスが違うから
といったものですね。
この言葉のあとには、たいてい「どうやっても追いつけない」「私が何をしても無理」といったマイナス方向の思考が続きます。
本来は、先の項目と同じように「本当に実力やセンスの差だけなのか」と考える必要があるのですが、安直に「自分とは違うから」を結論にしてしまうと、そこで思考が停止してしまいます。
そして、この場合も先の項目と同じように、「実力やセンス」以外の部分でも差がある確率が高いです。
そう、安直な結論を出すことによって、「自分ができることや学べること」を見逃してしまう可能性が高いのですね。
情報が多い時代だからこそ
今はネットを使えば、いろいろな情報が手に入ります。
本来、こうした時代には「情報をどう受け取るか」という部分が非常に大切なのですが、近年はその点が軽視されているように感じられます。
誰かが何かをいうと、みんなが同じことをいうようになる。あるいは、みんなが同じ方向に流れていく――ネットを使っていると、こうした現象に遭遇することが多々あります。
趣味やたのしみが、借り物の言葉、借り物の考え、借り物の結論で染まってしまうのは非常にもったいないように思います。
せっかくカメラという面白いアイテムを使っているのですから、答え合わせのような撮り方以外の撮り方もぜひたのしんでみましょう。