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なぜ感覚のギャップが生まれるのか

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前回は、「現場でベストだと思った構図が、家でみたらそれほどでもなかった」と感じることがあるのはなぜ?というテーマで記事を書きました。

「現場ではベストだと思ったのに・・・」感覚のギャップについて考えてみよう
写真を撮っていると、時々、不思議に感じることがあります。 それは現場で「これがベストだ!」と思って撮った構図でも、家に帰ってあらためて見てみると、全く違った感想を持つことがあります。 現場で試行錯誤して最適な答えをみつけたはずなのに...

今回は「その感覚のギャップはなぜ生まれるのか」という点について考えていきます。

なぜギャップが生まれるのか

なぜモニターでしっかり確認しているはずなのに、「現場でみたときの感覚」と「家でみた時の感覚」との間にギャップが生まれるのかを考えていきましょう。

これは仮説ですが、おそらく人間の五感によるものが大きいのではないかと思います。

たとえば「記憶色」という言葉があります。

撮った時と色が違う気がするのはなぜ?「記憶色」について知ってみよう
「記憶色」とは何かをデジタル一眼の初心者さんにもわかりやく解説。実例を挙げながら、記憶色に近づける設定や方法も紹介しています。

これは人間の性質をよくあらわしている現象で、実際に目で見たのとは違った色で記憶してしまう現象です。そのときに感じたことや思い出、感覚がミックスされて、実際の色とは違う印象でインプットされてしまうんですね。

よくある例としては、青空、桜の色、夕暮れなど。実際よりも誇張された色で記憶されてしまうんですね。

今回のテーマでとりあげている「現場でみたときの感覚」も、これに近いものがあるのではないかと思います。

「外で食べると……」の謎

たとえば、同じ食べ物や飲み物でも、外で食べるととてもおいしく感じることがあります。味は同じはずなのに、とても不思議です。

たとえば、スマホ。同じサイトでも、家で見るのと、外でバスの待ち時間になど見るのとでは、違った印象を受けることがあります。

こうした現象はおそらく、人間が無意識のうちに、五感でまわりを感じているからではないかと思います。

外で食べるときは、無意識のうちに、五感でその場所の空気や雰囲気を、あるいは開放感を感じている。

スマホをみながらも、「バスの待ち時間」という感覚と場所の空気を感じている。

そうしたものが、今行っている行為にプラスアルファの感覚や気持ちを与えてくれるのではないかと思います。

そう、「同じ食べ物でも、外で食べるとすごくおいしく感じる」。今回のテーマに関してはこの感覚が最も近いのではないかと思います。

写らないものがあるのではないか

このように考えてみると、今のカメラはとても優秀ですが、体感したことや体験をすべて写せるものではないことがわかります。

海外のあるカメラマンがこんなことを言っていました。

「なぜこんなにいい体験をしているのに、ファインダーからしかモノを見ないの?」

今回のテーマからは少し軸がずれますが、感覚的には非常に近いものがあるかと思います。

そのギャップをどう埋めるか

では、この現場と家での感覚のギャップをどう埋めるかを考えていきましょう。

まずは、同じ構図でも現場でみるのと、家で見るのとでは感じ方が違う、感覚のギャップがあるのを認識することが重要です。

この点を意識しておけば、現場でベストな構図だと思ったときでも

  • 家でみたときはどう感じるだろう?
  • 今は、感覚が何割増しかになっているのではないか
  • よりベストな構図があるかもしれない

といった考えが生まれます。

家に帰ってから「こうすればよかったぁ……」となるのを減らせる可能性があります。

また、自分の癖を知ることも、このギャップを減らすことに役立ちます。

こうしたギャップを何度か経験すると、「こうすればよかったぁ……」と感じる方法に、おおよそのパターンがあることに気づきます。

たとえば、現場ではつい欲張りすぎてしまう、画面にあれこれと入れすぎてしまうなど、自分の癖がわかってきます。これを自覚すると、現場での撮り方にバリエーションが出てきます。

まとめ

前回、今回と「感覚のギャップ」についてお届けしました。よかったら参考にしてみてください。