写真撮影において、ピント合わせは重要な項目です。
どれだけいい被写体を撮ったとしても、ピント位置が悪かったり、ピントがうまく合っていなかったりすると、すっきりしない写真になってしまいます。
今回は「ピント合わせについてのQ&A」と題して、ピント合わせに関してよくある疑問や大切なことを紹介します。
ピントはどこに合う?
ピントは厳密に言うと、写真の中の1点に合います。この写真でしたら、ピント位置を目にしていますので、ピントが合っているのは目(の中の1点)です。
が、実際に写真を撮ってみると、カメラから見てピント位置と同じ距離にある「面」にもピントが合っているように見えます。
この写真でいえば、カメラから「目」と同じ距離にある「そばかすの一部」も、ピントが合って見えます。
つまり、ピントは、カメラと正対する同じ距離にある「面」に合い、厳密にいえばその中の1点に合うといえます。こうした考え方を知っておくと、ボケを生かした写真を撮るときにも便利です。

ピントはどこに合わせる?
ピントが合っている範囲が広いように見える写真でも、必ず「ピントが合っている部分」と「そうでない部分(ボケている部分)」があります。
基本はいちばん見せたいところ
ピントは「いちばん見せたいところ」に合わせるのが基本です。
たとえばこちらの写真。
「複数のこいのぼり」と「桜」があり、どれも印象的なモチーフです。
が、こうしたケースでも「その中で、いちばん見せたいところ」「見てほしいところ」を探して、そこにピントを合わせます。【主役を探す】といってもよいでしょう。
この写真の場合は「青いこいのぼり」をメインと考えて、目にピントを合わせています。
そうすることで、最も見せたい部分がくっきり写り、写真の焦点が絞られます。
ピント合わせのセオリーもあります
ピントは「いちばん見せたいところ」に合わせるのが基本ですが、モチーフによっては「ここにピントを合わせるとキレイに見える」というセオリーもあります。
花はしべにピントを合わせると雰囲気が出やすくなります。ピント位置に迷ったときや、特別な意図がなければ、このセオリーを押さえておくと安定感のある写真が撮れます。
人間や動物、昆虫などの生き物は「目」にピントを合わせると、自然な雰囲気に仕上がります。
生き物は目にピントが合っていないと、「しっくり来ない写真」になってしまうことが多く、よほどの理由がない限りは、目に合わせるのがセオリーです。
また、人間の場合はまつ毛にピントを合わせるようにすると、より雰囲気が出やすくなります。
迷った時は、候補の分だけ撮ってみる
実際に被写体を前にすると、ピント位置をどこにしたらいいのか迷うことがあります。
その場合はあれこれと悩むよりも、迷ったピント位置すべてで撮ってみるのがおすすめです。
デジタル一眼は枚数を気にせずに撮れるので、「迷った時は全部撮ってみる」というやり方ができます。
後から確認して、いちばんいいものをピックアップするという方法ですね。こうした「デジタルならでは」の部分を臨機応変に使うのもポイントです。
ピンボケとは
ピントに関して使われる言葉の1つに、「ピンボケ」があります。
これは、「見せたい部分にピントが合わず、ほかの部分にピントが合ってしまった写真」のことをいいます。
つまり、「別のところにピントが合ってしまった写真」です。その部分はくっきりシャープに写っているわけですね。
たとえば、目にピントを合わせたい場面で、
- 鼻にピントがいってしまい、鼻がくっきりシャープに
- 目はピントからはずれたため、ぼんやり
となってしまうようなケースですね。
こうしたケースを「ピンボケ」といいます。
「ブレ」「ブレた写真」と混同されることの多い言葉ですが、ピンボケには、狙ったところではないにしろ、「ピントが合って、くっきり写っている部分」があるのが大きな違いです。
おしまいに
今回は「ピント合わせについてのQ&A」と題して、ピント合わせに関してよくある疑問や大切なことを紹介しました。よかったら参考にしてみてくださいね。