写真を撮っていると、「赤色」のある被写体に合うことが多くあります。
赤は様々な特長があり、意識して使うとより写真がたのしくなります。
今回は、写真における「赤色」の性質や効果をみていきます。
赤と緑の組み合わせ
赤は、緑と組み合わせるととても際立ってみえます。
赤と緑は、それぞれを補いあう色でお互いをひきたてあいます。
ですので、組み合わせると、赤も緑もキレイにみえる、際立ってみえるという特長があります。
いわゆる「補色」の関係である赤と緑は、自然界でよくみられる組み合わせの1つです。赤い花や植物のほか、紅葉シーズンには赤と緑の組み合わせをよく目にしますね。
画面の彩度を高めにすると、よりあざやかさがたのしめます。
紅葉は、緑の葉がまざると、より赤さが際立ちます。すべてが赤で染まったものも美しいですが、緑を入れると赤を引き立たせやすくなります。
赤と緑の組み合わせといえば、タマムシの模様もそれにあたります。
「虹のよう」といわれることの多いタマムシの体ですが、体をみると緑色をベースに赤のラインが入っています。お互いをひきたてあう色なんですね。
赤は、落ち着いた緑との組み合わせもよくあいます。
この写真は、深い緑色がバックになっています。黒に近いぐらいに深い緑色ですが、赤と緑の関係性が保たれているため、どちらの色もひきたってみえます。
また、バックが黒だと主役とのコントラストがきつくなりがちですが、この写真は深い緑色がバックになっているため、ほどよいやわらかさがあります。
そのほか、赤とんぼ(または赤色になりはじめたとんぼ)と緑も、自然界でよくみる組み合わせです。
こちらの写真は緑の中にいる赤くなりはじめたとんぼです。前のほうは緑に近い感じですが、体のうしろのほうが赤くなりはじめています。
画面における赤の面積はせまいですが、緑が赤をひきたてているため、赤色の存在をほどよく感じられるようになっています
支配力のある色
赤はほかの色より目立ちやすく、画面を支配する力があります。
面積的にはほかの色のほうが広くても、赤はとても目立ちます。赤には色の強さに加え、視線をひきつける「支配力」があります。
ワンポイントとして使うだけでも、赤はとても際立ってみえます。青などの一歩下がってみえる色と組み合わせると、ほどよいアクセントになります。
落ち着いた赤
赤の中でも、深みのある赤は独特の存在感があります。
深い赤は、明るい赤色とは違って、どっしりと落ち着いた感じがあります。赤はもともと存在感のある色ですが、それがより強調された印象になります。
深みのある赤は、支配力に加えて、全体に「重み」を出します。
明るく撮るとポップにみえるシーンでも、赤を暗く落ち着かせることで、全体の雰囲気を大きく変えることができます。
前に出てみえる色
赤は、ほかの色に比べて「前に出てみえる」タイプの色です。
赤を画面に使うと、こちらに向かってくるようにみえます。特に緑色と組み合わせると、より迫ってくる印象を出すことができます。
前に出てくるようにみえる色を「進出色」といいます。
進出色には「黄色」もあります。
通常は赤よりも黄色のほうが前に向かってみえる印象が強い色になります。・・・が、黄色のトーンを落とす、またはくすませると、前に向かってみえる度合いを調整することができます。
赤は、緑やオレンジ色とあわせて使うと、より前に出てみえます。力強さが感じられやすい色でもありますね。
おしまいに
今回は赤色の持つ性質や特長をみてきました。
赤は力強さや情熱を感じさせやすい色ですが、ほかの色との組み合わせを考えると、写真を撮るのがより面白くなります。
よかったら参考にしてみてくださいね。