カメラや写真について学びはじめると「セオリー」や「鉄則」といわれるものを目にする機会が増えてきます。
たとえば「こうすると写真がよくなる!」「この被写体はこう撮るとよい」といった方法のようなものですね。また「やらないほうがいいこと」が書かれていることもあります。
たとえば、
- できるだけ白飛びしないようにする
- 日の丸構図を避ける
といったようなことですね。
こうしたものに出会った時は、ただ「そうか、これはやっちゃダメなことなんだ」と考えるのではなく、「なぜそういわれているのか」を考えてみましょう。
理由を考える
今回は例として「白飛び」を挙げてみます。
白飛びという現象
白飛びとは、光の強い部分を撮った時などに発生する現象です。その部分の色情報がなくなり、真っ白な描写になってしまう現象です。
たとえば次の写真をみてみましょう。左側の真っ白になっているところが、白飛びした部分です。
背景は空です。肉眼では空の色がきちんとわかる状況だったのですが、カメラにとってはその部分が明るすぎて真っ白な描写になってしまいました。
モニターによっては白飛びがさほど気にならない場合もありますが、プリントすると白飛びした部分が白いペンキで塗ったようになり、かなり不自然にみえます。
白飛びした部分は色情報がない――つまり、その部分は色の変化や濃淡が全くない描写になってしまうのですね。ですので、その部分だけ白いペンキでべた塗りをしたような感じになってしまうわけです。
ただ、先ほども書きましたが、白飛びはプリントをすると露骨にわかりますが、パソコンやスマホなどのディスプレイで見る場合は、さほど気にならない場合もあります。
この問題を考える場合は、この点を知っておく必要があります。
いろいろな本に目を通してみよう
さて、「白飛び」の概念がわかったところで、あらためて白飛びについて考えていきましょう。
写真関連の書籍をあれこれと読んでみると、白飛びに関しての記述は意外とバラつきがあったりします。
- 白飛びは絶対ダメ
- 白飛びはできるだけしない方がいい
- 白飛びは場合によってはアリ
- 白飛びしても気にしない
ここで挙げた例は、その本の写真の傾向を無視してピックアップしたものですので、「4」のような極端な例も入っています。
が、本によって考え方にバラつきがあることがわかるでしょう。
「なぜ」がわかると答えがみつかる
では、なぜ「白飛び」に関してバラつきがあるのでしょう。
先ほどの例をもう一度挙げてみます。
- 白飛びは絶対ダメ
- 白飛びはできるだけしない方がいい
- 白飛びは場合によってはアリ
- 白飛びしても気にしない
これをみると、「1」は絶対ダメ、「2」「3」は時と場合によっては可、「4」は白飛びOKとけっこうな違いがあります。
ここで白飛びの「白」について考えてみましょう。次回に続きます。