よく「三脚はそれなりに高いものを買ったほうがいい」といわれます。そもそも「安い三脚」は何が違うのか、何が足りないのかみていきましょう。
今回は、安い三脚の例として「Velbon EX-440N」をピックアップします。
【Velbon EX-440N】
3千円台で買えるVelbonの軽量三脚。低価格ながら、3WAY雲台・クイックシュー・水準器を搭載。全高153cm(エレベーターあり)、最低高は44.5cm。
安い三脚は何が違うのか
安い三脚は高いものに比べると、主に3つの点が違います。
1・安定感
2・支えられる重さ
3・耐久性
特に「安定感」は大きな差があります。1つずつくわしくみていきましょう。
安定感
三脚は「カメラを固定してブレを防ぐ」のが大きな役割です。
安い三脚は「脚や接続部の弱さ」から、ぐらつきやすかったり、振動の影響を受けやすいといった傾向があります。
EX-440Nの場合は
今回、例に挙げている「Velbon EX-440N」は、脚の安定感はありますが、雲台のつくりに甘さがあります。
そのため、振動の影響を受けやすい部分があります。たとえば、MFでピント合わせをしていると、わずかですがカメラが揺れることがあります。
そのまま撮るとブレてしまいますので、揺れが完全におさまってからシャッター操作をする必要があります。
雲台やクイックシュー部分も、大部分がプラスチック製です。パーツの噛み合わせに甘さがあるのか、カメラの操作時に振動が伝わりやすい傾向があります。
支えられる重さ
三脚には「支えられる重さの目安」があります。仕様表では「推奨積載」「耐荷重量」といった形で表示されます。
安い三脚は、基本的に「軽いもの」向けで、重いものにはむいていません。
耐荷重量はあくまで目安で、ギリギリまで載せるよりも、重さに余裕があるほうが安心です。
余裕がない場合、角度によってはカメラがおじぎしたり、固定した位置をキープできないといったことが起こるケースもあります。
EX-440Nの場合は
EX-440Nの推奨積載は「1kg」となっています。これはレンズ込みの重量で考えます。
たとえば、Nikon D5500でしたら、本体が約470g(バッテリー・SDカード含む)です。
ここにダブルズームキットについてくる「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」(530g)をつけると、約1kgになります。
ここにストラップの重さも加わりますから、EX-440Nではちょっと厳しい・・・というわけですね。
耐久性
安い三脚はつくりに甘い部分があったり、パーツの質がそれなりだったりします。そのため、「ハードな環境でガンガン使う」といった用途にはむいていません。
EX-440Nの場合は
EX-440Nは、脚はアルミ製ですが、随所にプラスチックパーツが使われています。それなりに強度はありそうなプラスチックですが、扱いには少々気を使います。
EX-440Nの脚部分。脚自体はアルミですが、レバーや接続パーツなどはプラスチックが使われています。
まとめ
そのほか、安い三脚は「雲台」の取り外しできないものがほとんどです。
ただ、こうした制限や性質を理解して使えば、それなりに使えるのもおもしろいところ。
「いきなり○万の三脚は・・・」という方は、まず安い三脚を使ってみて「自分は三脚に何を求めるのか」を絞ってみるのもいいと思いますよー。
はれときどきカメラ編集部 RYOTA
はれときどきカメラの中の人その2。よく単焦点レンズをつけて街歩きをしています。好きなものは洋画とフエキくん。最近はツバメノートを愛用しています。
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