写真は「主役以外の部分をどう扱うか」によって雰囲気が変わります。
その考え方の1つに「余白に注目する」というものがあります。写真の余白は、日常生活で使われる余白とはちょっと違った考え方をします。
というわけで今回は「そもそも写真の余白とはなんなのか」と題して、写真の余白についてみていきます。
写真の余白とは
次の画像は、どちらもひよこのまわりに余白をとったものです。
通常、「余白」というと、画面の空白部分(白くあけたところ)をさすことがほとんどです。
が、写真の場合は少し違っていて、「意図して空けた空間」のことを余白と考えます。
たとえばそこに色がついていたとしても、木や風景などが入っていたとしても、意図して空けた空間であれば「余白」という考え方が成立します。
写真の余白のわかりやすい例
この写真は、鳥のまわりに空間を広くとっています。こうした空間のことを「余白」といいます。
余白というと、字のイメージ「白」という印象が強い方も多いかと思います。が、写真の場合は「空間をあける」という意味で使われることがほとんどです。
つまり、色がついていても余白ということですね。
写真に余白をつくるとどんな効果がある?
写真に余白をつくると、様々な効果が期待できます。
代表的な効果に次のようなものがあります。
- 画面に広がりや開放感を出す
- 画面に動きをつくる
- 想像力を喚起する
アップで撮るのとはまた違った効果が期待できます。
余白を考えた写真の撮り方はこちらの記事でくわしく解説しています。
余白は「空間」で考える
写真の余白は平面ではなく、「空間」で考えます。「まわりの空間をあける」と考えるとわかりやすいかと思います。
余白といっても、真っ白やそこに何もない状態にする必要はありません。「空間」としてあいていれば、写真の余白は成り立ちます。
つづいては、ちょっと違ったパターンを。こちらは鳥の前方に余白をつくったものです。
鳥の前方をみると枝が入っていますが、この場合も余白が成り立っています。ポイントは「空間」です。奥行きを意識してみると、わかりやすくなります。
- 枝は鳥の奥にある
- 鳥は画面の手前にむかってきている
そう、鳥の前の「空間」はちゃんとあいているんですね。
また、平面的にみると、ほかの部分に比べて鳥の前方はひらけた印象があります。このように「密集した部分とひらけた部分との差」が大きいと、余白を感じやすくなります。
つまり、一見して余白をつくるのがむずかしそうなシーンでも
- 空間であること
- 密集した部分とひらけた部分との差
に着目すると、余白がみつかるケースがあります。
おしまいに
はれときどきカメラが撮影した写真をもとに、写真の余白についてみてきました。
写真は平面ですが、余白という「空間」を考えるとより面白くなります。奥行きと通じるものがありますね。
よかったら参考にしてみてくださいね。